企業のIT財産を守り、屋台骨を支える情シス(情報システム部門)ですが、多くの企業で人材不足が問題となっています。
情シスをひとり、もしくは少人数のみで担当する状態を指す「ひとり情シス」という言葉もあり、「担当者の業務負担が大きい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。 情シス不足は、企業のIT財産を危険にさらし、営業利益を損ないかねません。今回は、情シス不足によるリスクと、その解決策・解決ツールなどを解説します。 「情シスの負担を少しでも減らしたい」とお考えの企業担当者様は、ぜひ最後までご覧ください。
近年、なぜ情シスは不足が続いているのでしょうか?主な理由を3つ説明します。
情シスが不足しがちになる一因には、社内、とくに経営層が情シスの重要性を十分に理解していないことが挙げられます。
情シスは、IT技術の観点から社内のIT資産を管理する重要なポジションです。しかし、フロントオフィスと違って売上げに直結しない役割のため、経営層があまり予算をかけないこともあります。
2022年に行われた調査では「IT投資を推進できる人材がいない・不足している」と答えた企業のうち、53.2%がIT担当者の数を維持・減少予定だとしました。
多くの企業がIT投資の必要性を感じていながら、人材には投資しないアンバランスな状況が、ひとり情シスを生み出しているのです。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000143.000025237.html
情シスをはじめとしたIT人材は慢性的に不足しており、今後さらに加速度的に需給バランスが崩れると予測されています。
背景には、下記のような複数の原因があります。
• IT人材の7割がベンダー企業に偏って在籍しており、ユーザー企業において人材採用・育成が進まない
• 大企業のみでなく中小企業でもIT人材の需要が高まっており、人材不足である
• 従来の基幹システムを管理できる多くのIT人材が、定年退職を迎える
経済産業省が発表したDXレポートでは、2025年に不足するIT人材は約45万人にもなる可能性が指摘されています。
出典:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_03.pdf
慢性的な不足が続く情シスですが、人員不足が続くことにより、どのようなリスクが起こりうるのでしょうか?ここから詳しく見ていきましょう。
社内に十分なITスキルをもった人材がいないと、万が一トラブルが発生したときの対応が遅れてしまう恐れがあります。
また、十分なセキュリティ知識の無い人間が運用していると、システムが危険にさらされるかもしれません。
セキュリティ対策が不足すると、ウィルス感染による不正操作や、サービス妨害攻撃によるサービス停止・サイバー攻撃による情報流出などが起こるリスクがあります。
システム停止によって営業機会を損失したり、顧客情報の流出によって損害賠償を請求されることもあり、利益が低下する危険もあります。
情シスが不足すると、業務に精通した社員しか細かい内容がわからなくなりがちです。そのため、万が一その社員が病気やけがなどの理由で出社できなくなると、業務が回らなくなる恐れがあります。
また、万が一退職してしまうと、システムのことがわかる人が誰もいなくなる危険性もあります。人に依存しないと会社のシステムが回らないのは、非常に危うい状態だと言えるでしょう。
2021年に情シスに所属する人たちに行ったアンケートでは、約4割が転職を考えており、そのうち65.5%がすでに転職活動をしていることがわかりました。
離職の背景には、下記のような複数の要因があります。
・経営層から、業務や体制に関して理解が得られない
・コロナ禍により、業務負担が増えた
・業務内容が多岐にわたり、スキルアップができない
コロナ禍でデジタル化が進んだ反面、情シスの業務がさらに激務となり、離職に拍車をかけたと考えられます。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000072698.html
ここからは、情シス不足による業務負担をどのように解決すべきかについて考えます。
情シス不足を解消する手段の一つとして考えられるのが、情シスの増員です。
たとえば、情シス人材を社内で育成したり、新規に情シス人材を採用したりする方法があります。ただし、ただでさえ忙しい情シスが時間を割いて人材を育成するのは、なかなか困難なのが実情です。
また情シスのなり手となるIT人材は売り手市場のため、採用も難しい状態です。もし増員がうまくいっても、仕事が忙しく不満がたまると、また離職してしまうリスクもあることを念頭に置かなければなりません。
情シス増員とは違うアプローチとして期待できるのが、情シスの業務負担軽減につながるツール・サービスの導入です。
たとえばITツールを導入したり、アウトソーシングサービスを利用する方法があります。ただしアウトソーシングは、意思疎通のための工数がかかりがちです。またアウトソーシング先によっては、スキルが不足していたり、コスト高になったりすることもあります。
上記のような問題を回避したい場合は、ITツールを使って業務の標準化・自動化を行うことがおすすめです。
自社に合ったツールを選定すれば、費用対効果を上げやすくなります。専門家でなくてもツールを使えば一定のセキュリティ対策ができるため、情シスの負担を減らしやすいでしょう。
情シスの業務負担を軽減するツール・サービスは、どのような点に気をつけて選んだらよいのでしょうか。ポイントを3つ挙げて説明します。
ツールを使う目的や、目的実現のために必要な機能を洗い出せば、情シスの負担を減らし、効率的な課題解決が可能です。
企業や情シスの体制によって、ツールに任せたい分野は異なります。また、ツールによっても、強みやカバー範囲が異なります。
自社が解決させたい課題や対応させたい端末・OS、セキュリティポリシーなどと照らし合わせて、ツールを選ぶことが大切です。
兼任情シスやITリテラシーに自信が無い社員が扱ってもわかりやすい管理者ページであれば、業務の属人化が起こりにくくなります。そのためにも、直感的でわかりやすい外観のツールを選ぶことがおすすめです。
提供されているツールの中には、無料で試せるトライアル版があるところもあります。購入前に事前に使い勝手を試せるため、積極的に利用してみましょう。
たとえば機能が充実したとしている有名ツールでも、自社にとって重要度の低い機能が多ければ、費用に無駄が生じます。
コストを重視し過ぎて情シスのニーズを満たさないツールを選んでも、負担軽減にはつながりにくいでしょう。
自社に必要な機能が網羅されており、費用以上の効果が見込めるような、バランスのよいツールを選ぶことが大切です。
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情シス不足は、IT人材の不足の影響もあり、今後さらに深刻化が見込まれています。情シスが不足した状態を放置しておくと、セキュリティ対策を十分に行えず、企業に多大な損失を与えるトラブルを引き起こしかねません。
情シス不足解決にはさまざまな方法がありますが、無料トライアルのあるITツールであれば、使い勝手を試したり、費用対効果を検討しやすいメリットがあります。
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