企業PCセキュリティに必要な機能が揃う!

法人向け
エンドポイントセキュリティなら
「EXOセキュリティ」
  • IT資産管理+ウイルス対策+情報漏洩防止
  • 専門知識がなくても、簡単導入管理が可能!
  • All-in-oneでリーズナブルに一括管理

いつでもどこでも快適なPCセキュリティ環境を実現

マルウェア、ランサムウェア、
情報漏洩から企業を保護!

法人向けエンドポイントセキュリティ「EXOセキュリティ」

クラウド上の中央管理機能で管理が楽に

ITに不慣れな方でも
簡単に操作できる

管理者の負担が
ぐっと下がる

オンライン活動が
増えるほど
さらに拡大する
セキュリティ脅威

98%
  • 個人情報漏洩

    顧客の個人情報が含まれたファイルがハッキング・流出した場合
    企業の信頼度低下はもちろん、法的な責任が伴います。

  • ランサムウェア

    ランサムウェアはPC内のすべてのファイルを復旧不可能な形で
    暗号化するため、企業に深刻な被害を与えます。

  • 社内情報の流出

    会社の個人情報が入った文書が外部に持ち出され、
    許可なく活用された場合、企業はビジネス機会損失を被る
    可能性があり、被害の補償は望めません。

  • マルウェア

    マルウェアに感染すると、PC内のデータが破壊されます。
    重要なデータの一部、あるいは全てが使用できなくなり、
    生産性の低下につながります。

サイバー攻撃の98%は、攻撃のしやすい中小企業をターゲットにしています。
悪意のないセキュリティミスにより、
取り返しのつかない被害につながることがあります。

セキュリティソフト機能はもちろん情報漏洩対策までオールインワンで解決できる

法人向けエンドポイントセキュリティ「EXOセキュリティ」

リモートワークが増えていて
企業セキュリティ対策が不安

セキュリティ担当者の
業務負担を減らしたい

様々な脅威に対応できる
セキュリティ対策

  • PCセキュリティ機能

    アンチマルウエア、アンチランサムウェア
    WEBサイト遮断などのセキュリティソフト

  • 個人情報・
    機密データ保護

    個人情報保護法の遵守、
    顧客・企業保護

  • 情報漏洩予防

    ビジネス機会損失、法的紛争の備え、
    社内のセキュリティ意識の向上

  • 脆弱性チェック

    脆弱性を常にチェックし、
    セキュリティ状態を維持

  • IT運営管理最適化
    (IT資産管理)

    IT資産の自動収集で
    煩わしさ減少

  • 合理的な価格設定

    月額5,000円で
    企業セキュリティが実現可能

EXOセキュリティが
選ばれる理由

マルウェア検出履歴と措置内容
探知率の高いグローバル
セキュリティエンジンによる
強固なセキュリティ

社内PCに侵入しようとする悪性コードを強力に阻止し、
状況をわかりやすく提供します。

  • 優れた探知率(AVIRAエンジン基盤)
  • 人工知能とクラウド分析技術適用した
    アンチウイルス
  • 新型ランサムウェア防止(拡張子・フォルダの指定)
  • リアルタイム保護や自動アップデート
リアルタイム検査履歴
個人情報は暗号化し安全に保管

暗号化されていない個人情報を検出して
暗号化することができます。
個人情報の流出やハッキングの不安も払拭。

  • 暗号化されていない個人情報の保護
  • 管理者により強制暗号化が可能
  • EXOセキュリティでは復号化が可能
  • 個人情報管理者の把握が可能
デバイス制御履歴
外部へのファイル持ち出しを
さまざまな形で管理

USBのようなリムーバブルメディアや、WEBサイト、
ソフトを通じたファイルの持ち出しを管理します。

  • アプリケーション・リムーバブルメディア実行の遮断
  • ファイルの持ち出しを遮断
  • ログ記録だけの管理も可能
  • クラウドストレージ同期化の内訳提供
ダッシュボード
ITリテラシーが低い方でも簡単に
運営できるセキュリティ

直観的でわかりやすいUIで
必要な情報やセキュリティを簡単に把握できます。

  • 直観的な情報の提供
  • 簡単なポリシー設定
  • 簡単に配布・ユーザーインストールが可能
  • セキュリティ脅威の通知

グローバルウイルス検知テストに
優秀な成績で合格したEXOセキュリティ

  • グローバルアンチマルウェアVB100性能認証取得

    グローバル
    アンチマルウェア
    性能認証VB100取得

  • AVIRA社のアンチウイルスエンジンを使用

    AVIRA社の
    アンチウイルス
    エンジンを使用

  • マイクロソフトウイルスイニシアティブメンバー加入

    マイクロソフト
    ウイルスイニシアティブ
    メンバー加入

  • 人工知能とクラウド分析技術を適用した
    アンチウイルス

    グローバルTOP3ウイルス対策エンジンをベースに、
    パターンマッチングに加えて、人工知能の機械学習と
    クラウド分析技術を採用したアンチウイルス

  • 新型ランサムウェアを防御

    保護したい拡張子やフォルダを指定すると、
    疑わしいプログラムを全て遮断し、
    より強力に保護できます。

  • 疑わしいサイトへのアクセスを遮断

    悪性コード流布サイトや悪質サイトを遮断します。
    遮断したいサイトを個別に指定することもできます。

  • リモートワークで生まれる
    セキュリティリスク

    リモートアクセスとは、社外からネットワークを通じて会社のコンピュータにアクセスすることを指します。在宅勤務を推進する中で、社員が使用するPCのセキュリティ対策が不十分なままリモートワークを行うことにより、社内サーバーへの不正アクセスが増加しています。

    具体的には、社員のログイン情報が不正に入手される「なりすまし被害」や、コンピュータウイルスに感染し、社内データが破壊される「ウイルス感染」などが発生しています。最悪の場合、業務が一定期間停止することもあります。

  • 低価格で簡単に導入できる
    EXOセキュリティ

    EXOセキュリティのユーザーインタビューを実施した結果、セキュリティツールを導入した理由として最も多かったのは、「リモートワークへの移行によるセキュリティ強化」であり、これまで導入しなかった理由については「セキュリティ担当者が不在で、手つかずだった」との回答が多数を占めていました。

    EXOセキュリティは、このように情報システム担当者が不在の企業様でも簡単に導入できるツールとして、設計・開発されています。

  • PCセキュリティチェック

    PC脆弱点を発生させる主要項目をチェックし、
    従業員が自ら措置できるようサポートします。
    管理者は会社内のPC脆弱点の現況を確認することができます。

    * OS及び主要SWアップデートチェック、共有フォルダー使用点検、USB自動実行点検など

  • IT資産管理

    EXOセキュリティをインストールするだけで、
    社内PCのすべて(スペック、アプリケーション状況)を把握でき、
    管理者の資産管理負担を減らします。

  • 直観的情報で社内のセキュリティ脅威の
    把握が簡単

    専門用語の使用を控えてシンプルな表現で
    探したい情報を楽に探せるよう構成しています。

  • 簡単な設定

    On/Off設定、タイプ設定、例外ユーザー設定の順に
    手軽にポリシーを作成することができます。

  • 別途の設置が必要ないWEB基盤の中央管理

    サーバーが要りませんし、中央管理用プログラムも必要ありません。
    WEB接続だけで社内PCのセキュリティ状況は把握できます。

    * 管理者の追加可能(権限指定可能)

ユーザー登録後、社員のPCにインストールするだけ。月額5,000円からセキュリティ対策ができます。

チャットでいつでもどこでも手軽に!

お気軽にお問合せください。

導入された
お客様の声

情シス不在でも簡単に
導入できました。

会社がリモートワークを導入することになり、セキュリティツールを探しておりました。
機能・価格両面で比較したところ一番コストパフォーマンスが良さそうだと判断し、EXOセキュリティを導入しました。情報システム管理者がいない弊社でも、簡単に導入できました。分からないことを丁寧に対応いただけたことも良かったです。

人材派遣会社/利用アカウント32

セキュリティの網羅性を考えると、ものすごく安いと感じました。

EXOセキュリティは価格がとても安かったので、機能面では足りないかな?と思ったのですが、問い合わせてみるとデバイスセキュリティ、ネットワークセキュリティ共に、十分な機能を備えていることがわかったので導入を決めました。 管理も非常にしやすく、以前のツールと比較すると手を取られる時間がかなり減少していると感じています。コストダウンできたことはもちろん、担当者にとってもありがたいセキュリティツールです。

システム開発会社/利用アカウント43

安心して使用できる機能、
親切な案内、遠隔操作

ウイルス管理、セキュリティ管理のような必ず必要な機能が簡単に使用できて安心して使用できます。
いつも親切に案内してくれますし、問題が発生したときに遠隔操作もしてくれて、助かってます。

hnbkor***

100名以下の中小企業に適した製品で、おすすめです。

価格も一般的なウィルス対策ソフトよりもかなり安価であるにもかかわらず、機能は充実しています。また実際に利用していますが、安定運用できています。以前利用していたウィルス対策ソフトではできなかったことも実現、セキュリティ強化を図ることができています。 フリーのファイル転送サービスの利用が横行しており、これを遮断するのに特別費用をかけることなく実現できました。 コストを抑えてセキュリティ対策を行いたい中小企業におすすめです。

広告・販促会社/50

オールインワンでラクな
セキュリティ管理

30名くらいの企業なので、情報システムチームがなく社内のPCセキュリティ一括管理が大変だったんですが、EXOセキュリティのおかげで、管理がとてもラクになりました。

acepla***

問題が発生したとき、
すぐにお願いできる遠隔操作

問題が発生したとき、すぐに遠隔操作をしていただけて、遠隔操作の際も、いただいたプログラムを開くだけでとても簡単でした。

gotomi***

コスパよく一元管理も大変ラクにできます。

何よりも管理画面がとても見やすく、管理者として加入している社員全員の状況が簡単に管理できる点だと思います。さらに、万全なセキュリティ対策もでき、価格帯も他社よりも大分抑えられている点も魅力的に感じています。 セキュリティソフトを社内管理者によって一元管理する方法を模索していた中で、本サービスを導入した事でそれが簡単に実現できました。 これまでセキュリティソフトは各々で加入するという状態でしたが、社内の人数が増えるにつれ、会社として法人契約を検討する事になり本サービスを導入しましたが、想像以上に一元管理しやすく、大変助かっております。 セキュリティソフトを社内管理者によってラクに一元管理したい方には大変オススメです。

人材派遣会社/30

IT管理者でなくても運用が可能で、
人件費を抑えてセキュリティを高められる
  • 情報システム室の様に専門家がいないような部署でも分かりやすい初期設定で運用ができる。
  • 管理者ページにより、利用状況や脆弱性の危険性を一括して確認できること。
  • 簡単なポリシー設定で、知識がない人でもセキュリティを高めることができること。
  • 社内にサーバーを設置しなくても、インターネットが接続できる場所であれば管理コンソールが操作でき、在宅ワークでも管理が可能なこと。
  • USBなどの外部データアクセス可能な機器の自動検出ポリシーの設定により、データの持ち出しを管理者権限で制限できる。
  • ウィルスセキュリティチェックや個人情報データのアクセス履歴を管理コンソールで確認できて、履歴をエビデンスとして残すことができること。

情報通信・インターネット会社/
ライセンス200

利用料金

合理的な価格、基本に忠実な法人向けエンドポイントセキュリティ

プラン Endpoint protection All-in-one protection
おすすめ リーズナブルな価格で基本に忠実な
企業専用PCウイルス対策
ウイルス対策と情報漏洩予防が同時に叶う
All-In-One PCセキュリティ
料金 5,000円(税別)/月 10,000円(税別)/月
ライセンス数 50まで使い放題 50まで使い放題
50ライセンス以降 1ライセンス当たり200円 1ライセンス当たり400円
主な機能
  • アンチマルウェア、アンチランサム、WEB保護
  • 人工知能機械学習とクラウド分析を採用したアンチウイルス
  • 新型ランサムウェアも防止
  • 人工知能機械学習とクラウド分析を採用したアンチウイルス
  • 個人情報の検出・強制暗号化
  • デバイス制御(USBなど)、アプリケーション制御
詳細はこちら

EXOセキュリティ's News

セキュリティ
ブログ

詳細
AIチャットボットの裏に潜む脅威:会話データの悪用リスクと対策
AIチャットボットの裏に潜む脅威:会話データの悪用リスクと対策

近年、企業の顧客対応や業務効率化を支える存在として、AIチャットボットの導入が急速に進んでいます。自然言語処理の進化により、人間のように自然な会話を行うことが可能となり、企業のサポート業務や問い合わせ対応を支える存在となっています。一方で、その便利さの裏側では、会話データの扱いをめぐるセキュリティ上の懸念が高まっています。 本記事では、AIチャットボットの普及背景から潜むリスク、そして企業が取るべき安全運用のポイントをわかりやすく解説します。 1. なぜ今、AIチャットボットのセキュリティが注目されているのか AIチャットボットは、もはや一部の大企業だけが利用する特別なシステムではなくなりました。ChatGPTやBing Copilot、GoogleのGeminiなど、一般消費者向けにも高機能な対話型AIが広く利用されています。企業の現場でも、LINEを使った顧客対応Botや、社内ヘルプデスク向けのAIチャットボットなどが日常的に活用されています。 1-1.急速に普及するAIチャットボットの現状 企業のコールセンターやサポート部門では、AIチャットボットが一次対応を担うケースが増えています。例えば、通販サイトでは商品の発送状況をBotが自動回答し、社内では人事・経理などの問い合わせをAIが即時対応するなど、業務の自動化が進んでいます。 こうしたシステムの多くはクラウド上で稼働しており、利用者が入力する内容は外部サーバーに送信・保存されます。ChatGPTのように生成AIを活用するタイプでは、過去の会話をもとに回答の精度が高められる仕組みも存在します。 しかし、利便性の向上と引き換えに、「誰が」「どのように」「どこで」データを扱っているのかが見えにくくなるという問題も浮上しています。 1-2.利便性の裏で高まる情報漏えいリスク AIチャットボットを利用する中で、顧客が個人情報や契約内容、業務データを入力するケースは少なくありません。もし、これらのデータが不適切に保存されたり、第三者に共有されたりすれば、情報漏えいや信頼失墜につながるおそれがあります。 例えば、ある海外企業では、従業員がChatGPTに社内システムのソースコードを入力した結果、その内容がAIの学習データに利用された可能性が指摘されました。日本国内でも、社外ツールへの入力制限を設ける企業が増えています。 このように、AIチャットボットの利便性の裏では、データ管理と利用目的の透明性が新たな課題となっています。 2. AIチャットボットに潜む主なセキュリティリスク AIチャットボットのリスクは、単なる技術的な脆弱性にとどまりません。 企業の運用体制や利用者の意識も大きく影響します。 ここでは、特に注意すべき3つの代表的なリスクを紹介します。 2-1.会話データの不適切な取り扱い AIチャットボットは、会話ログを学習素材として再利用することがあります。特にクラウド型サービスでは、データが海外サーバーに保存される場合もあり、情報の所在や削除ポリシーが不明確になりがちです。 例えば、GoogleのGeminiやOpenAIのChatGPTでは、ユーザーが設定を誤ると、会話データが学習に使われることがあります。顧客対応用Botでも、会話ログの取り扱いを明確に定めていないと、機微な情報が第三者の目に触れるリスクが生じます。 特に委託開発型のチャットボット(例:外部ベンダーが構築・運用するLINE公式アカウントのBot)では、データ管理の責任が曖昧になりやすく、契約段階からの明確化が重要です。 2-2.不正アクセス・なりすまし攻撃 近年、チャットボットを模倣した偽サイト(フィッシングBot)による詐欺被害も増加しています。実際の企業ロゴやAI対話画面をコピーし、利用者をだましてパスワードやクレジット情報を入力させる手口です。 また、企業の社内チャットボットが攻撃対象となり認証情報を盗まれるケースや、攻撃者が不正にアクセスしてBotを操作し、顧客に誤情報を送信するなどの事例も報告されています。 このような被害を防ぐには、Botのアクセス制御や通信経路の暗号化、そして利用者が公式アカウントかどうかを確認できる仕組みを整備することが求められます。 2-3.モデルの学習汚染によるリスク AIモデルは学習するデータの品質に大きく依存します。悪意ある入力によって誤情報を混入させるデータ・ポイズニングや、巧妙にAIの応答を誘導するプロンプト・インジェクションなどの攻撃が確認されています。 例えば、SNS上で公開されているBot(例:XやDiscordのAIアシスタント)に不正なコマンドを送り、内部情報を引き出そうとする行為も実際に発生しています。 こうした攻撃は外部から見えにくく、発覚が遅れやすいため、入力内容のモニタリングやAIモデルの検証体制が不可欠です。 3. AIチャットボットを安全に運用するための具体的対策 AIチャットボットのリスクを完全に排除することは困難ですが、適切なルールと仕組みを整えれば、安全性を大きく高めることができます。ここでは、企業が実践すべき代表的な対策を紹介します。 3-1.会話データの収集・保存ポリシーを明確化する まず、AIチャットボットを導入する際には、どのデータを収集し、どの目的で利用するのかを明確に定義することが重要です。 例えば、LINEやSlack上で稼働する社内Botの場合、会話ログの保存期間や閲覧可能者を限定するルールを設けることが望まれます。 顧客データを扱う場合は、個人情報保護法に基づき、本人の同意を得た上で利用範囲を明記することが必要です。また、データを暗号化して保存し、不要な情報は速やかに削除するといった、最小限の管理を徹底することが基本となります。 3-2.外部提供先・ベンダーのセキュリティ体制を確認する 多くのAIチャットボットは、外部のAIプラットフォームやクラウドサービスを利用して構築されています。そのため、委託先のセキュリティ対策を事前に確認することが欠かせません。 利用するサービスがISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメント)やISO/IEC 27017(クラウドセキュリティ)などの認証を取得しているか、またデータの学習利用を制御できる設定が用意されているかを確認しましょう。 契約書には、データの帰属・削除方法・再利用禁止条項を明記し、万が一の漏えい時に責任の所在を明確にすることが望まれます。 3-3.アクセス制御と監査ログの強化 チャットボットの管理者画面やログデータにアクセスできる担当者は、最小限に絞りましょう。多要素認証(MFA)の導入により、不正ログインを防止できます。さらに、アクセス履歴を定期的に監査し、異常な挙動を検出する仕組みを整備することで、インシデントの早期発見が可能となります。 特に、社内情報を扱うBotでは、アクセスログを保存・分析する体制を構築し、第三者監査の対象とすることも有効です。 3-4.従業員教育と内部統制の徹底 AIチャットボットのセキュリティは、技術だけでは守れません。実際の情報漏えいの多くは、従業員の誤操作や認識不足によるものです。従業員がChatGPTやGeminiなどの外部生成AIに、社内情報や顧客データを入力しないよう明確にルール化し、教育を継続的に実施することが重要です。 また、AI活用の申請・承認プロセスを設け、利用目的・データ範囲・リスク評価を社内で共有する体制を整えることで、安全な運用を実現することができるでしょう。 まとめ AIチャットボットは、企業の業務効率化や顧客満足度向上に欠かせない存在となりました。しかし、その普及に伴い、会話データの扱いをめぐるリスクが急速に拡大しています。特に、生成AI型のチャットボットは便利である一方、入力された情報がどのように保存・学習されるかを企業が正確に把握しておく必要があります。 今後のAI活用において求められるのは、便利だから無条件で使うのではなく、安全に使いこなすための体制を整えることです。 技術的対策に加え、ガバナンス・教育・契約面から総合的にセキュリティを見直すことが、AI時代の企業に求められる姿勢といえるでしょう。

テレワークのセキュリティポリシー見直しガイド:企業が取るべき5つの対策
テレワークのセキュリティポリシー見直しガイド:企業が取るべき5つの対策

コロナ禍をきっかけに急速に普及したテレワークは、今や多くの企業で定着しつつあります。 しかしその一方で、従来のオフィス中心の働き方を前提としたセキュリティ体制では、対応しきれない課題も浮き彫りになっています。社外からのアクセスや私物端末の利用など、リスクが多様化する中で、企業は改めてセキュリティポリシーの見直しを迫られています。 本記事では、テレワーク時代に必要なセキュリティの再構築に向け、現状のリスクと見直しのポイント、そして企業が取るべき具体的な対策をわかりやすく解説します。 1. テレワークの普及とセキュリティリスクの現状 テレワークは利便性や生産性の向上をもたらす一方で、従来の社内ネットワーク中心のセキュリティモデルでは防ぎきれない脅威が増加しています。ここでは、その背景とリスク要因を整理します。 1-1.増加するサイバー攻撃の背景 テレワークの広がりに伴い、VPN機器やリモートデスクトップを狙ったサイバー攻撃が急増しています。攻撃者は、社外からのアクセスが増えた企業ネットワークの脆弱性を突き、情報窃取や不正侵入を試みます。特に、中小企業では十分なセキュリティ対策が整っていないケースも多く、標的型攻撃の被害が拡大しています。 また、攻撃の手口も巧妙化しており、フィッシングメールやマルウェア感染による情報漏えいなど、人の不注意を突く攻撃も後を絶ちません。 1-2.家庭内ネットワーク・私物端末の脆弱性 テレワーク環境では、家庭内のWi-Fiルーターや私物パソコンなど、企業が直接管理できないデバイスが業務に利用されることがあります。これらの機器はセキュリティ更新が不十分であったり、初期設定のまま使われていたりすることが多く、外部からの侵入リスクを高める要因となります。 特に、私物端末の業務利用( BYOD:Bring Your Own Device)が広がる中で、企業データと個人データが混在し、情報管理の線引きが曖昧になるケースも増えています。 1-3.情報漏えい・誤送信などヒューマンリスクの拡大 テレワークでは、上司や同僚との対面での確認が難しく、誤送信や共有ミスによる情報漏えいが発生しやすい環境です。さらに、家庭内での会話や資料の取り扱いが第三者の目に触れる可能性もあり、オフィスでは想定されなかったリスクが潜んでいます。 このように、テレワークの普及によって、技術的なセキュリティだけでなく、人の行動に起因するリスク管理もより一層重要になっています。 2. 見直すべきセキュリティポリシーのポイント こうした新たなリスクに対応するためには、社内ネットワーク内なら安全という前提を捨て、場所やデバイスに依存しないセキュリティ体制を構築することが求められます。そのためには、既存のセキュリティポリシーを根本から見直し、新しい働き方に対応したルールと仕組みを整備する必要があります。 以下では、その際に重点的に確認すべき主要なポイントを解説します。 2-1.アクセス管理と認証の強化 まず見直すべきは、アクセス管理の仕組みです。IDとパスワードだけに頼る認証では不正アクセスを防ぎきれません。多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication)の導入により、ログイン時のパスワードに加えてワンタイムパスコード、生体認証(指紋・顔認証など)、または認証アプリを使用することで、本人確認の精度を大幅に高めることができます。 また、近年注目されているのが ゼロトラストセキュリティモデルという考え方で、「全てのアクセスを信頼しない」という原則に基づいたものです。従業員がどこからアクセスしても、通信の暗号化・端末の安全性チェック・利用状況のモニタリングなどを組み合わせ、動的にアクセス制御を行うことで、安全な業務環境を維持できます。 2-2.デバイス管理ポリシーの策定 次に重要なのが、業務に利用されるデバイスをどのように管理するかという体制の整備です。 テレワークでは、会社支給のノートPCだけでなく、個人所有のスマートフォンやタブレットが利用されるケースも増えています。こうした多様な端末が社内ネットワークやクラウドに接続することで、管理が煩雑になり、セキュリティリスクが高まるのです。 この課題を解決するためには、デバイス管理ポリシーの明確化が不可欠です。企業は、利用可能な端末の種類・OS・ソフトウェアのバージョン・セキュリティ設定などをルール化し、遵守を徹底させる必要があります。 また、モバイルデバイス管理 (MDM:Mobile Device Management)の導入により、端末の状態監視や、紛失・盗難時のリモートワイプ(データ削除)機能、アプリ利用制限などを行うことで、情報漏えいリスクを大幅に軽減できます。 さらにBYODを認める場合は、業務データと個人データを明確に分離する仕組みを導入することも重要です。例えば、業務アプリを企業専用のコンテナ領域内で動作させ、個人領域とはデータが交わらないように設定することで、従業員のプライバシーを守りながら企業情報を安全に管理できます。 2-3.データ持ち出し・保存ルールの明確化 テレワークでは、従業員がオフィス外でデータを扱う機会が増えるため、情報の持ち出しや保存に関するルール整備が欠かせません。もしUSBメモリや外付けハードディスクに業務データを保存し、それが紛失・盗難に遭えば、重大な情報漏えいにつながる恐れがあります。こうしたリスクを防ぐためには、特に、物理的なデータ持ち出しを制限し、必要に応じて暗号化を義務付けることが重要です。 また、業務データはできる限りクラウドストレージや社内のファイルサーバーで一元管理し、アクセス権限を明確に設定することで、データの所在と利用履歴を追跡できるようにします。 さらに、個人情報や機密資料など、データの機密度に応じた取扱基準を定め、誰が・どのデータを・どの環境で扱えるかを明文化することが求められます。定期的な社員教育やチェック体制を整備し、従業員全体で同じ意識と行動ルールを共有することが、情報漏えい防止の第一歩です。 2-4.通信・クラウド利用に関するセキュリティ基準の整備 テレワークで頻繁に利用される通信・クラウド環境の安全性についても、見直しが必要です。ZoomやMicrosoft Teamsなどのオンライン会議ツール、Google DriveやBoxなどのクラウドストレージは便利な一方で、設定不備やアクセス権の管理ミスが原因で情報漏えいが発生する事例も少なくありません。 そのため、利用するサービスを選定する際には、暗号化通信(TLS)への対応状況、データ保管場所、アクセス権限の詳細設定が可能かどうかを基準に検討する必要があります。クラウド上でデータを扱う際は、多層的なセキュリティを施すことが基本です。 例えば、アクセスログの自動記録やIPアドレス制限、不審なアクセス検知などを組み合わせることで、外部からの侵入や内部不正を防ぐことができます。また、従業員が無断で業務外のクラウドサービスを使用する「シャドーIT」を防ぐためにも、利用可能なクラウドサービスの一覧や承認プロセスを明確化することが大切です。 これにより、組織全体で統一されたルールのもと、安全かつ効率的にクラウド活用を進めることができます。 3. 企業が取るべき5つの具体的対策 セキュリティポリシーの見直しを効果的に進めるためには、実践的な対策を組み合わせて運用することが不可欠です。ここでは、企業がすぐに着手できる5つの施策を紹介します。 3-1.VPNやゼロトラスト環境の整備 テレワークの普及により、従来の「社内ネットワークは安全」という前提は崩れつつあります。社外からのアクセスが増えたことで、通信経路の安全性がこれまで以上に重要になりました。 まずは、VPNを活用して安全な通信経路を確保することが基本です。これにより、従業員が自宅や外出先から社内システムへアクセスする際も、第三者による盗聴や改ざんを防げます。さらに、ゼロトラストセキュリティの考え方を前提に、アクセスするたびに認証・検証を行う仕組みを導入することで、社内外を問わず一貫したセキュリティ基準を維持し、内部不正や侵入後の被害拡大も防止します。 3-2.エンドポイントセキュリティの導入 通信経路を守るだけでは不十分です。攻撃者はしばしば、従業員の端末(エンドポイント)を突破口として侵入します。このような攻撃から企業を守るためには、エンドポイントセキュリティの強化が不可欠となります。 エンドポイントセキュリティの中心となるのが、EPP(Endpoint Protection Platform)とEDR(Endpoint Detection and Response)です。 EPPは、ウイルス対策ソフトの進化版ともいえる存在で、マルウェアやスパイウェアの侵入を事前に防ぐことを目的としています。既知の脅威をシグネチャやAIによるパターン分析で検知し、感染を未然に防止します。 一方、EDRは、EPPで防ぎきれなかった未知の脅威に対応するための仕組みであり、端末上の挙動を常時監視し、不審な行動を検知・隔離・調査します。攻撃を検知して対処することに特化しており、万一侵入を許しても被害の拡大を最小限に抑えることが可能です。 これらに加えて、MDMによるデバイス管理も重要です。紛失・盗難時のリモートロックやデータ削除機能を活用することで、情報漏えいリスクを大幅に低減できます。 EPP、EDR、MDMなどを組み合わせて運用することで、従業員の働く環境を守りながら、企業データの安全を確保できます。 3-3.クラウド利用の可視化とアクセス制御 クラウドサービスの利便性は高い一方で、管理の甘さが情報流出の原因になるケースも少なくありません。特にシャドーITは、企業のセキュリティを大きく脅かす要因です。 まずは、社内で利用されているクラウドサービスを洗い出し、誰が・どのサービスを・どのように利用しているかを明確にしましょう。 その上で、従業員ごとに必要最低限のアクセス権限を設定します。これにより、情報への不正アクセスや誤操作による漏えいを防ぐことができます。また、CASB(Cloud Access Security Broker)などのツールを活用すれば、クラウド利用状況の可視化やアクセス制御を自動化し、運用負担の軽減にもつながります。 3-4.従業員へのセキュリティ教育と意識向上 どれほど高度なセキュリティ対策を導入しても、最終的なリスクは人から発生することが多いのが現実です。フィッシングメールの添付ファイルを不用意に開く、怪しいリンクをクリックする―こうした行動ひとつで、システム全体が危険にさらされることになります。 そのためにも、定期的なセキュリティ教育と意識啓発が大切です。社内研修や、模擬攻撃(フィッシング訓練)を通じて、従業員が自ら危険を判断し、適切に行動できるようにすることが求められます。セキュリティ違反が発生した場合の報告体制を整備し、ミスを隠さない文化を醸成しましょう。これにより、早期発見・早期対応のサイクルが組織内に定着します。 教育によって従業員一人ひとりの意識を高めることができても、実際の被害発生時に冷静に対応できる体制がなければ十分とはいえません。そこで重要になるのが、次の「インシデント対応体制」の整備です。 3-5.インシデント発生時の対応体制と訓練の実施 どれほど堅牢な防御策を講じても、リスクを完全にゼロにすることは不可能です。そのため、被害が発生した際にどれだけ迅速に対応できるかが、企業の信頼を左右します。 まずは、インシデント対応の手順を明文化し、誰が・何を・どの順に行うかを明確に定めましょう。これにより、混乱を最小限に抑えた初動対応が可能になります。さらに、実際の攻撃シナリオを想定したインシデントレスポンス訓練を定期的に実施することで、組織全体の対応力を高められます。 被害の拡大を防ぐためには、社内だけでなく、外部の専門機関やセキュリティベンダーとの連携体制の構築も欠かせません。実践的な訓練と協力関係の確立が、最終的な防波堤となります。 まとめ テレワークは今後も継続的に活用される働き方として定着していくと考えられます。企業に求められるのは、利便性とセキュリティを両立させた、バランスの取れた運用体制の構築です。そのためには、一度策定したポリシーを固定化せず、環境の変化や新たな脅威に応じて柔軟に見直していく姿勢が欠かせません。 経営層・情報システム部門・従業員が一体となり、セキュリティの継続的な改善に取り組むことが重要です。 セキュリティは導入して終わりではなく、常に更新し続けるべきものであることを意識し、持続的な取り組みを推進していきましょう。

セキュリティパッチ適用の遅れが命取りに?脆弱性管理の基本と対応策
セキュリティパッチ適用の遅れが命取りに?脆弱性管理の基本と対応策

    企業のシステム運用において、ソフトウェア更新やセキュリティパッチの適用は後回しにされがちな業務のひとつです。しかし、パッチの適用が遅れたわずかな隙を突いて、サイバー攻撃の被害に遭うケースが後を絶ちません。実際、近年の多くのセキュリティ事故は、既知の脆弱性を突かれたものです。 この記事では、セキュリティパッチの重要性と、企業が実践すべき脆弱性管理・パッチ運用の基本ポイントを解説します。 1.なぜセキュリティパッチの適用が重要なのか セキュリティパッチの適用は、単なるソフトウェアの更新ではなく、サイバー攻撃からシステムを守るための最重要の防御策です。どれほど堅牢なシステムでも、脆弱性を放置すれば攻撃者に侵入を許してしまうことになります。 ここでは、脆弱性とは何か、そしてなぜ迅速なパッチ適用が不可欠なのかを詳しく見ていきましょう。 1-1.ソフトウェアにおける脆弱性とは何か 脆弱性とは、システムやアプリケーションに潜むセキュリティ上の欠陥を指します。これは、開発過程で意図せず生じたプログラム上のバグや、設計段階の想定不足によって発生することが多く、攻撃者にとっては侵入や不正アクセスの絶好のポイントとなります。 具体的には、次のような形で悪用されるケースがあります。 ・認証を回避してシステムに侵入される ・不正なコードを注入され、データ改ざんが行われる ・権限を奪取され、サーバー全体を乗っ取られる ソフトウェアベンダーは脆弱性が発見されるたびに修正版(セキュリティパッチ)を提供しますが、利用者がこれを適用しなければ、脆弱性は残ったままとなり、攻撃対象になってしまいます。 つまり、パッチを当てないままにしておくということは、攻撃者に開いたままの窓を見せ続けているようなものです。1-2.なぜパッチ適用が欠かせないのか 攻撃者は、脆弱性が公表されると同時に、その情報をもとに自動化ツールを使って世界中のネットワークをスキャンします。ターゲットを絞る必要すらなく、更新を怠っているシステムを探し出し、機械的に攻撃を仕掛けてきます。 脆弱性の発見から攻撃開始までの期間は年々短縮されており、公表から数時間以内に攻撃が始まるケースも報告されています。企業がパッチ適用を後回しにするほど、攻撃のリスクは高まるのです。 例えば、社内業務を止めたくないため来月まとめてパッチ適用しようと判断した結果、わずか数日の間に侵入を許してしまう事例も珍しくありません。 特に、VPN機器やWebサーバーなど、外部と直接通信するシステムは攻撃リスクが高く、早急な対応が求められます。1-3.既知の脆弱性を悪用する攻撃が増加 一見すると、攻撃者は未知の脆弱性(ゼロデイ攻撃)を狙ってくるように思われがちですが、実際には既に修正パッチが提供されている脆弱性を悪用するケースが圧倒的に多いのが現実です。 代表的な例が、2017年に世界的な被害をもたらしたランサムウェア「WannaCry」です。 この攻撃は、Microsoftがすでに修正パッチを公開していたにもかかわらず、更新を怠っていた企業が標的となりました。結果、病院・交通機関・製造業など多くの組織が業務停止に追い込まれ、甚大な損害が発生しました。日本国内でも、同様に既知の脆弱性を放置した結果、被害を受けた事例は少なくありません。 IPA(情報処理推進機構)も、公表済みの脆弱性を悪用した攻撃が依然として多数発生していると、警鐘を鳴らしています。つまり、攻撃の多くは新しい脅威ではなく、防げたはずの攻撃なのです。 わずかな更新の遅れが、企業の信頼や事業継続を揺るがす致命的なリスクとなることを、改めて認識する必要があります。 2.パッチ適用の遅れが引き起こすリスク 少しくらい適用が遅れても問題ないのでは、と考えるのは危険です。セキュリティパッチの適用を怠ると、攻撃者にとって格好の侵入の機会を与えることになり、被害は企業全体に波及します。 ここでは、パッチ適用の遅れが具体的にどのような被害を引き起こすのかを見ていきましょう。2-1.ランサムウェア感染の拡大 パッチ未適用のシステムは、ランサムウェア攻撃の格好の標的となります。 攻撃者は公開情報やスキャンツールを使い、脆弱性を抱えるサーバーを自動的に特定します。そこから侵入し、システム内のファイルを暗号化して使用不能にした上で、復旧のための「身代金(ランサム)」を要求します。 一度感染すると、業務システム・会計データ・顧客情報などがすべて暗号化され、復旧までの間、企業活動が完全に停止します。特に製造業や物流業など、24時間稼働が前提の企業では、生産ラインの停止が即座に大きな損失につながります。さらに、ランサムウェアの多くはネットワーク内で自己増殖する性質を持つため、一台のPCの感染が社内全体に広がる危険性もあります。 国内でも、自治体や医療機関がパッチ未適用のシステムを介して感染し、住民サービスや診療が停止した事例が報告されています。わずかな更新の後回しが、社会的影響を伴う深刻なインシデントへと発展するのです。2-2.情報漏えい・不正アクセス 脆弱性を放置したままにしておくと、攻撃者はその穴を利用してシステムに侵入し、データベースやクラウド環境から機密情報を盗み出します。漏えいの対象は、顧客情報や社員の個人情報、取引データ、契約書類など多岐にわたります。 さらに近年では、侵入後すぐに暗号化するのではなく、まず機密情報を抜き取ってから公開を防ぐための身代金を要求する二重恐喝型ランサムウェアも増えています。 このような情報漏えい事件は、単なる技術的被害にとどまりません。取引先や顧客の信頼を失い、場合によっては損害賠償や法的措置を受けるリスクもあります。特にクラウドサービスやWebアプリケーションの脆弱性は、社外と直接つながるため被害範囲が拡大しやすく、自社だけでなく関連企業全体に影響を及ぼす恐れがあります。2-3.業務停止とブランド毀損 セキュリティパッチを怠ることで発生する被害の中でも、最も深刻なのが業務の停止とブランド価値の失墜です。マルウェア感染やサーバー障害が発生すれば、生産ライン・販売システム・社内ネットワークなど、企業活動の根幹が止まってしまいます。 実際、ソフトウェア更新の遅れが原因で大手企業のオンラインサービスが一時停止し、顧客対応が滞ったり、自治体が数日間にわたり行政システムを閉鎖せざるを得なかった例も多く発生しています。 これにより発生する損失は、直接的な復旧費用だけではありません。企業の社会的信用が低下すれば、株価下落・取引停止・新規契約の減少など、長期的なダメージが残ります。 ブランドは一朝一夕に築けるものではなく、一度失えば回復に多大な時間とコストを要します。たとえ技術的に復旧しても、顧客がまた同じことが起きるのではないかと感じれば、信頼は簡単には戻りません。 パッチ適用の遅れは、単なるIT部門の課題ではなく、企業経営そのものに関わるリスクといえるでしょう。   3.効果的な脆弱性管理とパッチ運用のポイント セキュリティパッチを効果的に運用するには、気付いたら更新するだけでは不十分です。情報収集からテスト、優先順位付け、社内体制の整備まで、計画的な管理が欠かせません。 以下では、効果的なパッチ管理を行うための具体的なポイントを解説します。 3-1.脆弱性情報の収集と把握 まず重要なのは、常に最新の脆弱性情報を収集し、社内システムへの影響度を正確に把握することです。 脆弱性は日々新たに発見されており、毎年膨大な件数になります。IPAが提供する JVN iPedia(脆弱性対策情報データベース) や、各ソフトウェアベンダーの公式アナウンス、さらに CVE(共通脆弱性識別子) の登録情報など、定期的に確認する体制を整えることが重要です。 また、単に情報を集めるだけではなく、自社で使用しているシステム・ソフトウェアとどの程度関係があるかを判断する仕組みも欠かせません。そのためには、IT資産の棚卸しやバージョン管理を徹底し、どの製品がどの環境で稼働しているかを可視化しておくことが前提となります。 3-2.パッチ適用の優先順位付け ただ、全てのパッチを同時に適用するのは現実的ではありません。企業によっては数百台のサーバーやPCを管理しており、全てを一斉に更新することは業務への影響やコストの面で非効率です。 したがって、リスクベースの優先順位付けが欠かせません。優先順位を決める際には、脆弱性の深刻度(CVSSスコア)や、システムの重要度、インターネットとの接続状況を基準に判断します。特に外部公開サーバーやVPN機器など、攻撃対象となりやすいシステムは最優先で対応すべきです。また、既に攻撃が確認されている脆弱性については、緊急度が高いため即時の対応が求められます。 3-3.テスト環境での検証と段階的適用 セキュリティパッチは安全対策である一方で、システムへの影響を及ぼす可能性も否定できません。本番環境に直接パッチを適用した結果、業務システムが動作不良を起こしたり、他のアプリケーションとの互換性に問題が生じたりするケースもあります。そのため、テスト環境での事前検証は欠かせない工程といえます。 検証環境では、更新による機能影響や処理速度の低下、ログ異常の有無などを確認し、安全性を担保したうえで段階的に展開するのが望ましいです。特にERPや基幹系システムなど、企業活動の中枢を担うシステムに対しては、IT部門・ベンダー・ユーザー部門が連携し、慎重にリリース計画を立てる必要があります。 このプロセスを怠ると、セキュリティ強化のための更新がかえって業務停止を招くリスクにもなりかねません。 3-4.自動更新や管理ツールの活用 中小企業では、専任のシステム管理者が不在であったり、更新作業に割けるリソースが限られていることも少なくありません。その場合、自動更新や一元管理ツールの導入が有効な手段となります。 例えば、Windows環境であればWSUS(Windows Server Update Services)やMicrosoft Intuneを活用することで、複数端末へのパッチ配信を自動化できます。 さらに、SIEM(Security Information and Event Management : セキュリティ情報イベント管理)やEDR(Endpoint Detection and Response : エンドポイント検知と対応)といった統合管理ツールを導入すれば、更新状況の可視化や異常検知も可能になります。これにより、人的ミスや対応漏れを防ぎ、セキュリティの均一化・継続的な監視体制を実現できます。 3-5.社内ルールと責任体制の明確化 最後に、パッチ管理を属人的な作業にしないことが極めて重要です。システム更新の判断や作業が個人依存になると、担当者の不在や認識のズレによって対応が遅れるリスクが生じます。そのため、社内ルールと責任体制の明確化が必要不可欠です。 脆弱性情報の収集から適用までのプロセスを文書化し、どの部署がどの段階で承認・実施・検証を行うのかを明確にしておきましょう。また、インシデント発生時には、即時に対応できる緊急パッチ対応チームやインシデントレスポンス責任者を定めておくことも有効です。 このような体制を整えることで、突発的な脆弱性発覚時にも迅速かつ確実な対応が可能になります。 まとめ セキュリティパッチの適用は、単なる保守作業ではなく、企業の防衛戦略の一部となります。既知の脆弱性を放置することは、攻撃者に侵入してもよいと宣言しているようなものです。脆弱性情報の収集、優先順位付け、テスト検証、そして責任体制の確立―これらを日常業務に組み込み、継続的に改善していくことが求められます。 パッチ管理を負担と考えるのではなく、リスク低減の投資と捉え、全社的な意識改革を進めることが、情報資産を守る第一歩となるでしょう。   EXOセキュリティのご利用料金はこちら EXOセキュリティの無料トライアルはこちら

SNS時代の情報漏洩リスク:従業員の投稿が企業を危機にさらす?
SNS時代の情報漏洩リスク:従業員の投稿が企業を危機にさらす?

   近年、SNSは私たちの生活に欠かせないツールとなりました。社員一人ひとりがスマートフォンを手にし、日常の出来事を気軽に発信できる時代において、SNSは情報発信の自由度を大きく広げています。しかし、その利便性の裏には、企業にとって見過ごせないリスクも潜んでいます。特に、従業員の不用意な投稿や不注意による情報発信が、企業のブランド価値や信頼性を損ない、時には大きな損害へと発展することもあります。 本記事では、SNS時代における情報漏洩リスクについて、具体的な事例や企業が取るべき対策を整理しながら解説します。従業員の個人利用を全面的に制限するのではなく、適切なガイドラインや教育を通じて、リスクを最小化しつつ健全な情報発信を可能にするためのポイントを考えていきましょう。 1.SNS利用の拡大と企業に迫るリスク SNSは個人のコミュニケーションツールであると同時に、企業にとってはブランドの露出機会でもあります。しかし従業員の無意識な投稿が、企業のセキュリティや社会的評価を脅かすリスクを高めています。 1-1.SNSが日常生活に浸透する現状 X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、TikTokなど、さまざまなSNSが急速に普及し、利用者は国内でも数千万人規模にのぼります。ビジネスとプライベートの境界が曖昧になり、社員が勤務中の出来事や社内での体験を気軽に発信するケースも増えています。こうした発信は、本人に悪意がなくても企業の内部情報が外部に流れるきっかけとなります。 1-2.企業ブランドと信頼性への影響 例えば、社内のプロジェクト内容や未公開情報がSNSに投稿されれば、競合にとって有益な情報源となり得ます。また、従業員の不適切な発言が炎上すれば、企業そのものが批判の矢面に立たされ、株価や取引先との関係にまで影響を及ぼすことがあります。SNSが普及した現代では、一つの投稿が瞬時に拡散し、数時間で企業の信用を揺るがす事態に発展することも珍しくありません。 1-3.SNSが攻撃や不正の糸口になる危険性 従業員がSNS上で勤務スケジュールやオフィスの写真を投稿すると、攻撃者にとっては格好の情報源となります。標的型メールの文面作成や、物理的な侵入計画の準備に悪用される事例も報告されています。さらに、企業への不満を持つ内部関係者が意図的に情報を拡散するケースもあり、SNSは外部からの脅威だけでなく内部不正の温床にもなりえるのです。 1-4.法的・コンプライアンス上のリスク SNSへの不用意な投稿が顧客情報や取引先の内部事情を含んでいた場合、個人情報保護法や不正競争防止法などの法令違反につながる可能性があります。その結果、企業は法的責任を問われ、多額の損害賠償を負う事態に発展することもあります。これは単なる評判リスクにとどまらず、経営そのものに直結する深刻な影響をもたらします。 2.従業員のSNS投稿から生じる具体的なトラブル事例 従業員によるSNS投稿は、一見ささいな内容でも企業に大きな損害をもたらすことがあります。ここでは実際の事例をもとに、どのようなリスクが現実化しているのかを整理します。2-1.顧客情報の流出と法的リスク もっとも深刻なのは、顧客や取引先の情報が不用意に外部へ漏れてしまうケースです。例えば「今日は有名人がうちの病院に来た」といった軽率な投稿は、個人情報保護法違反に直結する可能性があります。金融機関や医療機関のように情報管理が厳格に求められる業界では、従業員の一言が法的責任や行政処分に発展するリスクがあるのです。 2-2.不適切発言や内部情報流出による炎上 社員が差別的・攻撃的な発言を投稿すれば、個人だけでなく所属企業に対しても批判が集中します。また、社内会議の内容や取引先との交渉状況を発信すれば、信頼関係が損なわれ、契約の縮小や打ち切りにつながることもあります。従業員の投稿が企業イメージと不可分に結びつく点は、SNS時代ならではのリスクです。 2-3.「バイトテロ」型の炎上 アルバイトが勤務中に不衛生な行為や不適切な行動を撮影・投稿し、大規模に拡散して炎上した「バイトテロ」事例も後を絶ちません。コンビニや飲食店での不衛生行為、焼肉店での不適切動画投稿などは、その後メディア報道にまで発展し、企業イメージや売上に深刻な打撃を与えました。こうした行為は一瞬の出来心でも、衛生管理体制や教育体制そのものが疑問視される事態を招きます。 2-4.SNS管理体制の不備とトラブル 実際に全国の企業を対象とした調査では、「社員のSNS投稿が原因で炎上した経験がある」と回答した企業が5.8%にのぼります。具体的には、守秘義務に関わる顧客への愚痴、プロジェクトメンバーへの批判、ステマ疑惑を招く宣伝投稿、著名人の個人情報漏洩などが報告されています。さらに、SNS管理規定を整備している企業は32%にとどまり、65%の企業は特定可能な従業員アカウントを把握していないという実態も明らかになっています。   参考:PRTIMES <企業のSNS炎上対策に関する実態調査>    3.企業がとるべきSNSリスク管理と教育のポイント SNSリスクを完全に排除することは難しいものの、組織的に管理・教育を行うことで被害を最小限に抑えることは可能です。ここでは企業が取り組むべき主要な対策を整理します。 3-1.ガイドラインの策定と周知徹底 まず重要なのは、従業員向けのSNS利用ガイドラインを策定することです。業務に関する情報の取り扱い方、守秘義務の範囲、不適切な発言の基準に加え、社名を明かしての個人発信、副業や広告投稿(ステルスマーケティング)の可否といった具体的なルールを明文化し、全社員に共有します。単に作成するだけではなく、研修や社内ポータルを通じて継続的に周知徹底することが不可欠です。 3-2.SNS利用研修と意識向上 定期的な研修は、従業員がSNSの影響力や情報発信のリスクを自覚する上で有効です。炎上事例や訴訟に至ったケースを教材にしたり、eラーニングや模擬炎上対応といった実践的なプログラムを導入すれば、従業員の危機意識を高められるでしょう。特に若年層社員はSNS利用に慣れている一方でリスク認識が低いため、重点的な教育が求められます。 3-3.モニタリング体制の構築 近年では、企業名やブランド名を自動的にモニタリングできる「炎上検知ツール」やソーシャルリスニングの仕組みが普及しています。これを活用することで、自社や従業員の投稿に関する炎上の兆候を早期に察知できます。ただし監視が行き過ぎればプライバシー侵害の懸念が生じるため、モニタリングの範囲を明確に定め、透明性を持たせることが重要です。さらに、収集したデータを広報や顧客分析に活用すれば、防御だけでなく攻めのマーケティングにもつなげられるでしょう。 3-4.インシデント対応体制の整備 万一、炎上や情報漏洩が発生した場合に備え、危機管理マニュアルを事前に整備しておくことが欠かせません。広報・法務・人事など関連部門が連携し、24時間以内に一次対応を行うルールを設けておけば、被害の拡大を防ぐことができます。事後対応としては、原因分析と再発防止策を必ずセットで講じ、同様のトラブルが再発しない仕組みを構築することが求められます。 まとめ SNSは、現代社会において企業にとっても必要不可欠な存在である一方、大きなリスクを伴います。禁止ではなく適切な利用を前提にした取り組みが、健全な情報発信とリスク管理の両立につながります。 従業員のSNS利用を完全にコントロールすることはできません。しかし、ガイドラインの策定や教育、モニタリング、そしてインシデント対応体制の整備といった一連の取り組みを通じて、企業はリスクを最小限に抑えることが可能です。大切なのは、SNSを単なるリスク要因と捉えるのではなく、適切に利用すれば企業の魅力発信やブランド力向上に寄与するツールであるという視点です。従業員が安心してSNSを活用できる環境を整え、同時にセキュリティ意識を高めることで、企業はSNS時代にふさわしい持続的な成長を実現できるでしょう。   EXOセキュリティのご利用料金はこちら EXOセキュリティの無料トライアルはこちら

「セキュリティ人材」が足りない?組織が抱える人材不足と解決へのアプローチ
「セキュリティ人材」が足りない?組織が抱える人材不足と解決へのアプローチ

  デジタル化の進展に伴い、情報セキュリティは企業経営にとって避けて通れない重要課題となりました。しかし現状、多くの企業が「セキュリティ人材不足」という深刻な問題に直面しています。サイバー攻撃が巧妙化・多様化する一方で、それに対応できる人材は決して多くはありません。本記事では、国内外で顕在化している人材不足の実態や、その背景、さらに組織が取るべき解決のアプローチについて解説します。     1.深刻化するセキュリティ人材不足の現状 サイバー攻撃のリスクは年々拡大しており、情報漏洩やランサムウェア被害といった事件は日常的に報道されています。こうした状況のなかで、セキュリティ人材の不足は国内外で共通する大きな課題となっています。ここでは、その実態と組織への影響を見ていきましょう。   1-1.国内における人材不足の実態 経済産業省が公表した検討会取りまとめ資料では、日本国内で約11万人ものセキュリティ人材が不足しているとする民間調査結果もあるようです。特に中小企業では専任のセキュリティ担当者を配置できないケースが多く、システム管理者が兼任して対応している状況です。その結果、専門的なノウハウが不足し、攻撃に対して脆弱な体制のまま事業を継続せざるを得ないという問題が浮き彫りになっています。   参考:経済産業省  「「サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会最終取りまとめ」を公表しました」   1-2.海外における人材不足の広がり 人材不足は日本に限った話ではありません。米国や欧州でも、サイバーセキュリティ人材の需要は供給を大幅に上回っています。例えば、世界最大のサイバーセキュリティ専門家資格の非営利団体であるISC2は、世界中でみると400万人のサイバーセキュリティ人材が不足していると報告しています。グローバルに進出する企業にとっては、この人材獲得競争は避けられない課題です。   1-3.企業への具体的な影響 人材不足は単なる数の問題ではなく、企業活動に深刻な影響を与えます。セキュリティ監視や脆弱性管理が追いつかず、潜在的なリスクが放置されるケースも珍しくありません。また、インシデント発生時の初動対応が遅れれば、情報漏洩や業務停止の被害は拡大し、取引先や顧客の信頼喪失につながってしまいます。     2.なぜセキュリティ人材は育ちにくいのか? セキュリティ人材が慢性的に不足している背景には、いくつかの要因があります。ここでは教育環境からキャリアパスに至るまで、人材育成が難しい理由を整理していきます。 2-1.人材育成の遅れと教育環境の不足 日本では、大学や専門学校におけるセキュリティ専門教育が十分に整っていないのが現状です。多くの人材が企業に入社後にOJTで知識を補う形となり、即戦力の育成が追いついていません。その結果、市場に供給される人材は限られ、人材不足が慢性化しています。   2-2.高度な専門知識と広範なスキルの要求 セキュリティ人材には幅が広く深い知識が求められます。例えば、ネットワーク、OS内部、暗号、アプリケーションセキュリティ、クラウド、フォレンジック、ログ解析、法令・コンプライアンスなど多岐にわたります。さらにインシデント時は技術だけでなく、関係者との調整や経営層向けの報告など非技術的スキルも必要になります。   2-3.急速に進化する技術と攻撃手法 クラウドネイティブ、コンテナ、IoT、サプライチェーン攻撃、AIを悪用した攻撃など、技術環境や攻撃の手口は年々多様化しています。これにより、今日時点での最適解が来週には陳腐化しているかもしれず、習得した知識を継続的にアップデートしていかなければなりません。その結果、現場は常に学習を続ける必要があり、人的リソースの維持が難しくなります。   2-4.待遇やキャリアパスの課題 セキュリティ人材は高いスキルを必要としますが、給与水準やキャリア形成の見通しは必ずしも十分ではありません。高度な専門性を持っていても、経営層や専門職として適切に評価されないケースが多く、結果的に優秀な人材が他社や他分野、海外に流出する要因となっています。     3.組織で取り組むべき人材不足解消へのアプローチ セキュリティ人材不足は、単なる採用強化だけで解決できる課題ではありません。むしろ重要なのは、長期的な人材育成と、組織全体でセキュリティを強化する体制づくりです。ここでは、企業が実践できる具体的なアプローチを解説します。   3-1.社内教育とリスキリング 既存社員に対して教育やリスキリングの機会を提供することは、人材不足を補う第一歩です。社内研修や資格取得支援だけでなく、OJTによる実践的な経験や、社外セミナー・オンライン講座への参加を推奨することも効果的です。さらに、IT部門に限らず全社員が基本的なセキュリティリテラシーを持つことで、組織全体の防御力を底上げできます。   3-2.外部人材の活用 フリーランスや専門企業と契約し、必要な時期に外部の専門家を活用する方法もあります。特に、脆弱性診断やフォレンジック調査など高度なスキルが求められる分野では有効です。ただし、外部に頼りきるとコスト増やノウハウの社外流出につながる恐れがあります。外部人材と協働する際には、得られた知見を社内に共有・蓄積する仕組みを整えることが大切です。   3-3.セキュリティアウトソーシング SOC(セキュリティオペレーションセンター)の外部委託や、マネージドセキュリティサービスの導入は、人材不足を補う現実的な選択肢です。自社で24時間365日の監視体制を構築するのは困難ですが、専門ベンダーを活用することで迅速な対応が可能になります。ただし、ベンダー任せにしすぎると自社に知見が蓄積されず、判断力を欠くリスクがあるため、自社で一定の知識やモニタリング体制を維持することも必要です。   3-4.AIの活用による効率化 近年ではAIを活用したセキュリティ監視や脅威検知の技術が進化しています。AIが大量のログやトラフィックを解析し、異常を早期に検出することで、人材の負担を大幅に軽減できます。AIはあくまで人材を補完する存在ですが、活用することで少人数でも高いセキュリティ水準を維持できるようになります。   3-5.長期的な組織戦略の必要性 人材不足解消には、短期的な対策にとどまらない長期戦略が必要です。経営層がセキュリティを経営課題として位置づけるとともに、人材が定着しやすいキャリアパスや評価制度を整備することが重要です。さらに、働きやすい環境を整え、社員が安心してスキルアップに取り組める風土を育むことが、持続的な人材確保につながります。     まとめ セキュリティ人材不足は、企業規模や業種を問わず多くの組織が抱える共通課題です。その背景には、高度な専門性の要求や教育環境の不足、待遇面の課題など、複合的な要因があります。しかし、社内教育や外部人材活用、アウトソーシングやAIの導入といった多角的な取り組みを進めることで、人材不足の影響を軽減することは可能です。   重要なのは、採用のみに頼らず、組織全体でセキュリティを重視する文化を根付かせることです。経営層から現場社員までが一体となり、長期的な人材育成に取り組むことで、企業は持続的なセキュリティ体制を築いていくことができるでしょう。   EXOセキュリティのご利用料金はこちら EXOセキュリティの無料トライアルはこちら

ChatGPTが情報漏えいの温床に?生成AI時代のセキュリティリスクと企業の備え
ChatGPTが情報漏えいの温床に?生成AI時代のセキュリティリスクと企業の備え

  生成AIの進化により、業務効率化やアイデア創出といった多くのメリットが企業にもたらされています。 なかでもChatGPTなどの対話型AIは、誰でも簡単に使える利便性から、ビジネスの現場に急速に浸透しつつあります。しかしその一方で、利便性の裏には情報漏えいや不正利用といったセキュリティ上の重大なリスクも潜んでいます。   本記事では、生成AI活用にともなうリスクの実態と、企業が取るべき対策について解説します。     1.生成AI活用が企業にもたらす変化 生成AIは今、企業の業務改革に大きな影響を与えています。単なる便利なツールにとどまらず、組織の生産性や競争力を左右する存在となりつつあります。ここでは、企業における生成AIの導入がどのような変化をもたらしているのかを整理します。   1-1.ChatGPTの業務利用が広がる背景 ChatGPTをはじめとする生成AIは、自然言語による入力に対して、人間が書いたような文章や提案を瞬時に出力できる点が大きな特徴です。たとえば、社内文書や報告書の作成、議事録の要約、英文メールの作成、コードの自動生成など、多くの業務で実際に活用されています。こうした活用により、担当者の負担を大幅に軽減しながら、作業のスピードと精度を高めることが可能になります。   特に、限られた人員で多様な業務をこなす必要がある中小企業では、生成AIが業務支援ツールとして導入されるケースが増えており、その導入効果は高く評価されています。   1-2.ノーコードで使える利便性とスピード感 ChatGPTは、プログラミングやシステム開発の知識が一切なくても、誰でも直感的に使える点が大きな魅力です。たとえば、「このメールの内容を丁寧な敬語に書き換えて」「プレゼンの導入文を考えて」といったように、普段使っている日本語をそのまま入力するだけで、高品質なアウトプットが得られます。   これにより、ITリテラシーにばらつきがある職場でも、導入直後から多くの社員が即戦力として活用できる環境が整います。作業にかかる時間が大幅に短縮されることに加え、内容の質にも一定の水準が保たれるため、業務の標準化にも寄与します。   1-3.生成AIが従業員の一員となる未来 生成AIは今後、単なるサポートツールを超え、人間の同僚と同様の役割を果たすようになると予想されています。たとえば、営業支援AIが商談内容を分析して提案資料を自動作成したり、カスタマーサポートAIが問い合わせ内容に応じて最適な回答を提示したりすることで、人間と協働しながら業務を遂行するようになります。   このようなAIの同僚化が進むことで、従業員は単純作業から解放され、より創造的・戦略的な業務に集中できるようになります。企業にとっては、限られた人材資源を最大限に活用するための強力な手段となるでしょう。     2.ChatGPTが情報漏えいの温床になる理由 生成AIの活用には利便性だけでなく、セキュリティリスクも伴います。とりわけChatGPTは、その利用形態から情報漏えいの危険性が高いと指摘されています。本節では、なぜChatGPTが情報漏えいの温床となりうるのか、その具体的な理由を解説します。   2-1.入力した内容が再利用される可能性 ChatGPTなどの生成AIは、サービスの精度向上や品質改善を目的に、ユーザーが入力した内容をAIの学習データとして再利用する場合があります。特に無料プランや制限付きのAPIでは、入力内容が匿名化されたうえでAIのトレーニングデータに活用されることが、利用規約上で明記されていることも珍しくありません。   企業の従業員が業務中にAIに入力した文章、たとえば、未公開の製品情報や契約書のドラフトなどが、後に第三者のAI利用において再生成されてしまう事態も理論的には起こり得ます。このような仕組みを理解せずに機密性の高い情報を入力すると、意図せず企業の知的財産が漏えいするリスクが生じます。   2-2.社員が誤って機密情報や個人情報を入力してしまうリスク ChatGPTは直感的に利用できる一方で、入力内容がクラウド上で処理されるという認識が十分に浸透していない場合、従業員が不用意に機密情報を入力してしまうことがあります。たとえば、「顧客Aとのやり取りを要約して」「この売上データをグラフにして」などといった入力の中に、顧客データや社外秘情報が含まれてしまうケースが考えられます。   このような情報がAIシステム上に蓄積された場合、今後の学習や出力内容に影響を与え、他のユーザーが似たような質問をした際に、意図せず再利用される可能性も否定できません。情報の断片的な入力が蓄積されることで、より深刻な漏えいにつながるリスクがあることを、企業は十分に認識しておく必要があります。   2-3.無料・簡易な利用環境による統制困難 ChatGPTは、Webブラウザさえあれば誰でもすぐに使い始めることができるため、社内でルールが整備されていない状態でも個々の判断で利用されがちです。とくに中小企業やITガバナンスが未整備な組織では、こうした生成AIツールの勝手利用が横行しやすく、いわゆるシャドーIT(組織が把握・管理していないIT利用)の温床となっています。   管理者の目が届かないところで、個人が自由に生成AIを活用すれば、知らぬ間に機密情報が外部に流出するリスクが高まります。また、利用実態の把握が困難なため、問題発生時に原因を特定しづらく、再発防止策の構築にも時間を要することが多い点も課題です。     3.企業に求められる生成AI利用のセキュリティ対策 生成AIの恩恵を受けるためには、企業としてセキュリティリスクに正しく向き合い、具体的な対策を講じる必要があります。本節では、企業が講じるべき基本的な対策と管理体制の整備について詳しく紹介します。   3-1.利用ルール・ガイドラインの策定 まず重要なのは、生成AIの利用に関する明確な社内ルールを整備することです。「どのような用途で使用してよいか」「入力してはならない情報とは何か」といった具体的な方針を文書化し、従業員に周知することが求められます。   たとえば、顧客の氏名や住所といった個人情報や、契約書や財務データ、開発中の製品情報といった機密情報などの入力は禁止すべきでしょう。禁止事項を具体的に明示することで、従業員の認識不足による誤使用を防ぐ効果が期待できます。   3-2.利用ツールの制限 ChatGPTを利用する場合でも、社内専用のセキュアな環境で利用できる有料版やAPIの活用を検討することで、外部への情報流出リスクを最小限に抑えることが可能です。一部の企業では、社内で生成AIを独自に構築したり、信頼できるベンダーとの提携によりセキュリティ対策済みのAI環境を整備したりする取り組みも進んでいます。オープンなAIサービスの使用を一律に禁止するのではなく、信頼性の高い利用手段を提供することで、利便性と安全性のバランスを取ることが可能になります。   3-3.社内教育とリテラシー向上 生成AIのリスクを正しく理解し、安全に活用できる人材を育成するためには、社内教育が欠かせません。特に、IT部門以外の一般社員に対しては、「どのような使い方が危険か」「誤入力がどんな影響を及ぼすか」といった基本的な知識の習得が重要です。   eラーニングや集合研修、ハンドブックの配布などを通じて、セキュリティリテラシーを継続的に高める仕組みを整えることが、事故の未然防止につながります。   3-4.利用ログの管理・可視化 誰が、いつ、どのような目的で生成AIを利用したのかを記録・可視化することは、セキュリティ対策として極めて有効です。仮に情報漏えいなどのインシデントが発生した場合でも、ログデータをもとに状況を特定し、迅速な対応を行うことが可能になります。   AI活用を組織的に管理するには、利用履歴を収集・分析できる監視ツールや専用のプラットフォームを導入することも検討すべきでしょう。   3-5.情報システム部門による定期的なモニタリングとリスク評価 生成AIは進化が著しく、新たな機能や仕様変更にともなって新たなリスクが発生する可能性があります。そのため、導入時だけでなく、継続的な運用中にも情報システム部門がモニタリングを行い、リスクの変化に応じた見直しを実施することが求められます。   セキュリティ監査や内部レビューを定期的に実施し、ルールやツールの更新、教育内容の再構成など柔軟に対応できる体制を構築しておくことが、長期的な安全運用の鍵となります。     4.外部AIサービスを安全に使うためのチェックポイント 生成AIを安全に活用するには、外部サービスの利用方法にも注意が必要です。提供元の契約内容や規制との整合性を理解し、自社のデータを守るための基準を明確にしておくことが重要です。   4-1.利用規約・プライバシーポリシーの確認 AIサービスを利用する前に、提供元が公開している利用規約やプライバシーポリシーを必ず確認しましょう。 特に注視すべきは以下の点です。   ・ユーザーの入力情報が保存されるか ・入力データが学習目的に使われるか ・第三者に情報が提供される可能性があるか   たとえば、あるサービスでは有料版のみが「データの非学習化」に対応しているなど、プランによって扱いが異なる場合もあります。こうした仕様を事前に把握し、自社のセキュリティポリシーと照らし合わせて判断することが大切です。   4-2.欧州GDPRなどの海外法規制との整合性 外部の生成AIサービスが海外ベンダーによって提供されている場合、各国のデータ保護法との整合性も確認が必要です。たとえば、EUのGDPR(一般データ保護規則)では、個人データの取り扱いに関する厳格な規定があり、違反した場合は高額な罰金が科される可能性もあります。   日本企業であっても、海外の顧客情報を扱っている場合や、海外サービスを経由してデータを処理する場合には、これらの規制が適用されることがあります。利用前には法務部門とも連携し、契約条件のリスク分析を行うことが望まれます。   4-3.社内データの持ち出しルール 生成AIを活用するにあたり、社内の情報を社外のAIサービスに入力することは、形式上「情報の社外持ち出し」に該当します。そのため、これを許可する範囲や条件について、明確なルールを定めておくことが必要です。これにより、生成AIを利用する環境や状況に応じて、情報漏えいのリスクを最小限に抑えることができます。     まとめ 生成AIは業務効率化や創造性の拡張といった大きな可能性を秘めていますが、その利便性の裏には重大なセキュリティリスクが潜んでいます。とくにChatGPTのような外部AIツールは、情報漏えいのリスクが企業の管理下を超えて広がる恐れがあり、軽視すべきではありません。   企業としては、生成AIの利活用を進める一方で、明確な利用ルールの策定、社員教育、技術的な統制措置を通じて、安全かつ効果的な活用環境を整備することが求められます。   今後ますます普及が見込まれる生成AIとどう向き合うかが、企業の信頼性と競争力を左右する重要な鍵となるでしょう。      EXOセキュリティのご利用料金はこちら EXOセキュリティの無料トライアルはこちら