サイバー攻撃や不正アクセスを防ぐためにはセキュリティ対策が求められます。セキュリティ対策は大企業だけでなく中小企業においても、金銭損失や顧客喪失などのリスクを回避するために重要です。
この記事では、中小企業においてセキュリティ対策が必要な理由や、中小企業のセキュリティ対策の現状、どのような対策が必要かなどを詳しく解説します。自社のセキュリティを強固なものにしたいと考える経営者や担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
セキュリティ対策が必要な理由は、サイバー攻撃や不正アクセスなどを受けるリスクがあるためです。また内部の人的ミスにより情報漏洩が起きることもあります。有事の際にセキュリティ対策が十分でないと、企業は規模によらず大きな損害を被ることとなるでしょう。
以下では、起きうるリスクを交えながら、中小企業のセキュリティ対策が重要である理由を4つ紹介します。
マルウェア感染により、データにロックがかけられ身代金を要求されることがあります。また、取引先の機密情報や、顧客データなどの個人情報を漏洩させると、損害賠償を請求されるケースも少なくありません。また、自社のサービスを提供できなくなると、売上も見込めなくなります。
さらに、社会的信用が失墜すると売上が落ちる可能性もあるでしょう。結果的に多額の損失につながりかねないため、セキュリティ対策は重要視したい項目です。
サイバー攻撃などにより情報漏洩したり、操業不能となったりすることにより、顧客を喪失する恐れもあります。情報漏洩は、企業の信用が失われる重大なトラブルです。取引先は、一度情報漏洩した企業とは、今後の契約が難しいと判断する場合があります。
競合他社で同様のサービスを展開する企業があれば、安全な企業へ提携を切り替えるでしょう。また操業不能となれば、顧客はその間に競合のサービスを利用するようになり、そのまま戻らない可能性もあります。
サイバー攻撃などで不正アクセスを受けると、業務の停滞につながります。理由は次の2つです。
不正アクセスの原因究明にあたり、会社全体のシステムを一時停止する必要があります。提供するシステムの停止だけでなく、メールなども使用できない状況です。通常業務もままならず、大幅な業務の停滞につながる可能性があります。
ウイルス感染した時は、被害拡大を防ぐため、解決するまでインターネットを遮断しなくてはならず、すべての業務に影響が及びます。 |
不十分なセキュリティ対策によるトラブルの発生は、従業員のモラル低下を招く要因につながります。セキュリティ対策が不十分なことを知り、データ改ざんなどの内部不正を行おうと試みる従業員もいるかもしれません。
また、不正アクセスなどでトラブルが発生した時に、関係する従業員だけを罰すると、多くの従業員が不信感を抱く要因となります。会社の責任として捉え、再発防止のためにできることを周知・実践することが大切です。
現状、セキュリティ対策への投資を実施しない中小企業は多い傾向にあります。2016年と2021年にIPAが実施した「中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査」では、次の結果が出ています。
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2016年 |
2021年 |
情報セキュリティ対策への投資を行っていない企業 |
33.1% |
30.0% |
出典:IPA情報処理推進機構「「2021年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査」報告書について」
セキュリティ対策に投資する企業は、2016年から2021年までの5年間で、わずかに増加したものの大きな数値の変化が見られません。
なお、投資を行わない企業がセキュリティ対策ソフトなどの製品を活用しない理由として、次の理由が多く挙げられています。
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セキュリティ対策ソフトは、目に見えて効果を実感できるものではなく、いざ不正アクセスを受けトラブルが発生しない限り、ソフトの重要性に気づくことは難しいものです。
しかし、不正アクセスを受けトラブルが発生した場合、セキュリティ対策ソフトを導入する以上の多額の金銭を損失する恐れがあります。IT化が加速する現代、常にサイバー犯罪の脅威にさらされていることを念頭に置き、トラブルを未然に防ぐことの重要性に目を向けましょう。
中小企業がセキュリティ対策を行う際は、IPAのガイドラインに基づき、次の2つのことを押さえておきましょう。
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以下では、経営者や担当者が会社のセキュリティ対策を見直し、新しい仕組みを取り入れる方法を詳しく解説します。
セキュリティ対策を実施する際は、経営者が知っておくべき「3原則」と実行に移すべき「7項目」があります。
経営者が知っておくべき「3原則」は次の通りです。
セキュリティ対策の導入は、経営者や担当者が会社の事業内容に合ったツールを探して選びましょう。
委託先に不正アクセスがあり情報漏洩した場合、委託元にも責任が問われることがあります。委託先には、会社のシステムと同等の対策を導入してもらいましょう。テレワーク中に、自宅のパソコンを使用する際もセキュリティ対策の徹底を促します。
取引のある顧客には、日頃から自社のセキュリティ対策と、トラブルが発生した際の対応方法を提示することが大切です。どのような対策を行っているか開示することで、信頼関係を構築できます。 |
また、実行に移す際は、次の「7項目」を実施しましょう。
会社全体でセキュリティ対策を実行する必要があるため、従業員や関係者に取り組みを宣言します。「何の情報をどのようにして守るのか」という基本的なガイドラインを提示しましょう。
セキュリティ対策ソフトの導入コストと、トラブルが発生した時に被る費用を事前に確保します。また、トラブルが発生した時、サポートしてもらえる専門家を探すことも大切です。
不正アクセスなど、考えられるリスクをすべて把握します。リスクを回避できる適切な対策方法を導入しましょう。
事業内容の変化に伴い、使用するソフトウェアや関わる顧客が変化します。会社の変化に合わせ、セキュリティ対策のアップデートも検討します。
トラブルが発生した時の対処方法を決めましょう。原因究明、被害拡大の抑制、復旧まで、すべての手順を明確に決めておくと安心です。
会社の業務を一部委託している場合は、委託先にも同等のシステム導入を依頼します。また、委託先にトラブルが発生した時、委託先の責任と対策の実施方法を事前に決めておきます。
セキュリティ対策に関する情報を日頃からチェックし、常に新しい知識を身につけましょう。 |
セキュリティ対策ソフトの実行に加え、以下5か条を社内で実践しましょう。
日頃から、ソフトウェアやOSのアップデートを徹底しましょう。アップデートには、セキュリティ上の問題の修復も含まれているため、常に最新となるよう心がけてください。
さまざまな手口のウイルスが増えています。すべてのデバイスで、ウイルス対策ソフトの導入を徹底すれば安心です。
特定されにくい長く複雑なパスワードを設定しましょう。使い回しにも注意が必要です。また、パスワードをPCや机に貼り付けるなど人目に付く場所に置かないようにしてください。
誰でもアクセスできるような共有設定は避けましょう。必要な人にだけ権限を設定しデータを守ります。
不正アクセスのさまざまな手口を知っておくことで、適切な対応ができ、トラブルを未然に防げます。 |
中小企業では、金銭の損失や顧客の喪失などを防ぐ以外にも、業務の停滞や従業員のモラル低下を防ぐためにセキュリティ対策は万全に行っておく必要があります。セキュリティ対策への投資に積極的でない企業もあるものの、実際に被害を受けた際、想像以上の損害が出る恐れがあるため、備えておくことが望ましいでしょう。
企業で情報セキュリティ対策を行う際はIPAのガイドラインを参考にした上、民間のセキュリティソフトなどを活用することがおすすめです。
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