近年、リモートワークを導入する企業は増加傾向にあります。リモートワークにおいて、従業員は外部から会社内のシステムにアクセスする必要があるため、セキュリティ対策の強化が重要な課題となります。特に「マルウェア」は、パソコンやスマートフォンなどのITツールに害を与える存在であり、特徴を理解した上で有効な対策を講じることが大切です。
当記事では、マルウェアの概要や感染した際の症状・リスク、代表的なマルウェアの種類について解説します。マルウェアの主な侵入経路・感染経路やマルウェア感染を防ぐ方法、効果的なセキュリティツールも併せて確認し、トラブルなく業務を進められる環境を整えましょう。
目次
マルウェアとは、「malicious(悪意のある)」「software(ソフトウェア)」の2つの言葉を組み合わせてできた造語です。マルウェアはユーザーにとって害のある動作・迷惑行為を不正に行う目的で作成されたソフトウェアであることが一般的です。
コンピュータ黎明期のマルウェアは、「感染したユーザーを驚かせたい」といった愉快犯的な目的で開発されたものが多く、直接的な被害はそれほど大きくありませんでした。しかし、コンピュータが普及するにつれて、「動作に有害な影響を与える」などユーザーにとって迷惑な被害が増加しました。
現代では、ユーザーの知らないうちに情報を流出させることを目的として開発されたマルウェアが主流となっています。検知されにくく感染に気づきにくい手口が使われるため、セキュリティツールを活用してデバイスへの侵入前に駆除するようにしましょう。
使用しているコンピュータに次のような症状が見られた場合、マルウェア攻撃を受けた可能性が高いと考えられます。
■マルウェアに感染した場合の代表的な症状
マルウェアに感染した状態で放置した場合、「アカウントの乗っ取り」「金融情報の盗難」「データの自動消去」「迷惑メールの大量配信」などの被害が発生する恐れがあります。コンピュータの挙動に違和感を覚えたら、マルウェア感染を疑って対応を進めましょう。
マルウェアの種類は多岐にわたり、コンピュータの発展とともにマルウェアの内容も日々進化を続けています。さまざまなマルウェアからコンピュータを守るためには、マルウェアのおおまかな種類・タイプについて把握することが重要です。
■ 代表的なマルウェア
ここでは、代表的な5種類のマルウェアの特徴や性質の違い、感染した際のリスクについて解説します。
「ウイルス(コンピュータウイルス)」とは、宿主となるファイルやアプリのプログラムを部分的に書き換えて自身のコードに改ざんし、自己増殖するマルウェアのことです。
ウイルスに感染したファイルやアプリが実行されると、害のある行動とともにウイルスが増殖しますが、ウイルスの増殖を目で確認できないケースも少なくありません。知らないうちにウイルスを拡散する危険性が高いことに注意しましょう。
「ワーム(worm)」は「虫(寄生虫)」を意味する言葉であり、単独で活動可能で自己増殖も行うマルウェアを指します。ワームの種類によっては、ネットに接続しただけで数百万台規模のコンピュータに感染させられるほど感染力が高いものもあり、注意が必要です。
なお、ワームは感染したことが発覚しやすいマルウェアです。そのため密かに感染させる手法が主流の現代においては、それほど多く使用されているわけではありません。ただし、近年にも使われているワームがある上に、感染力が高いことから、対策が難しい点に注意しましょう。
「トロイの木馬」は、無害なファイル・アプリに偽装してコンピュータ内部に侵入し、作成者や攻撃者の意図に合わせて悪意のある行動をするマルウェアです。ギリシャ神話に出てくる「トロイの木馬」が名前の由来とされています。
トロイの木馬は一般的なファイルなどに偽装されているケースが多いため、感染に気づくまで時間がかかる傾向があります。自己増殖機能や拡散機能はありませんが、個人情報の盗難や不正アクセスがいつでも可能な裏口(バックドア)の作成などの機能があり、非常に危険度の高いマルウェアです。
「スパイウェア」は、ユーザーの行動や個人情報を収集し、全く別の場所に送信する不正プログラムのことです。スパイウェアは、利用者がフリーソフトなどのダウンロードを行う際に一緒にインストールされてしまうケースが多いと言われています。
スパイウェアは、トロイの木馬のように偽装されているわけではありません。しかし、情報窃取を目的とするマルウェアであるため表立って活動しておらず、検出されにくいという特徴があります。
ランサムウェアとは、「ransom(身代金)」と「software(ソフトウェア)」を組み合わせてできた造語です。機器がランサムウェアに感染すると、ファイルなどが暗号化されて使用不可能になり、この状態を元に戻すための「身代金」を要求するメッセージが表示されます。
ランサムウェアによって被害を受けたファイルを元の状態に復元することは、非常に難しいと言われています。パソコン画面に表示されたメッセージにある「身代金」を支払っても、データ復元ができる保証はありません。
マルウェアの侵入パターンは多岐にわたります。ここでは、マルウェアが不正侵入する経路として代表的なものを紹介します。
・ネットワークへの接続
OSやアプリの脆弱性を放置したままインターネットなどのネットワークに接続した場合、マルウェア(主にワーム)に感染する危険性があります。
・メッセージに添付されたファイルの開封
メールに添付されたファイルを開封することで、ウイルスやワーム、トロイの木馬といったマルウェアに感染する恐れがあります。
・外部メディアの使用
USBメモリなどの外部メディア・外部メモリーにウイルスが潜んでいた場合、パソコンで利用することで感染するリスクがあります。
・不正なWebサイトへのアクセス
悪意をもった第三者に改ざんされたサイトや、悪意をもって作成された不正サイトに接続・閲覧することで、マルウェアが勝手にダウンロードされてしまう場合があります。
上記の経路の他にも、クラウドストレージサービスにアクセスした際や、ソフトやアプリをインストールした際にマルウェアに感染することがあります。マルウェアはあらゆる場所・行動から侵入する可能性があるため、注意が必要です。
パソコンやスマートフォンなどをマルウェアの感染から守るためには、マルウェアに関する基礎知識を押さえた上で、事前に十分な対策を講じることが大切です。
■マルウェアの感染を予防する方法・対策ポイント
マルウェアに感染すると、金銭面・情報面での損害を被るだけでなく、取引先企業や顧客からの信頼・信用を大きく失います。マルウェア感染によって事業に悪影響が出ないようにするためにも、ウイルス対策ソフト(セキュリティソフト)は必ず導入・運用しましょう。最新のマルウェアに対応している製品がおすすめです。
マルウェアとは、ユーザーに害のある動作を不正に行うプログラムであり、「アカウントの乗っ取り」や「情報の盗難」といった感染被害が発生する恐れがあります。マルウェアの種類や侵入経路といったポイントを把握した上で対策方法を実践し、各種マルウェア被害からコンピュータを守りましょう。
マルウェア対策も可能なセキュリティ対策の導入を検討している企業・管理者には、高コスパで操作性にも優れたクラウド型セキュリティツール「Exo Security」がおすすめです。マルウェアなどの脅威に適切に対応できる機能をもつ「Exo Security」を活用し、セキュリティ面で安心して業務を進められる体制を整えましょう。