情報技術が発展した現代の日本では、パソコンやスマホなどのIT機器は企業活動に欠かせないツールとなっています。IT機器やインターネットは非常に便利なものですが、コンピュータウィルスをはじめとするインターネット犯罪も頻発しており、対策が必要です。
当記事では、インターネット犯罪への対策の1つである「アンチウィルス対策」について詳しく解説します。アンチウィルス対策の必要性や導入する際の注意点、対策を行う際の方法・ポイントを確認し、インターネット犯罪への対策を実施しましょう。
アンチウィルス(Anti-virus)とは、コンピュータに侵入して被害を与えるウィルスやマルウェアを発見し、適切に取り除くための対策を指します。代表的な対策として「アンチウィルスソフトの導入」が挙げられますが、ウィルスの感染・拡大を防止するための考え方やリテラシーもアンチウィルスの対象です。
コンピュータウィルスやマルウェアは悪意のあるサイバー攻撃の1つであり、感染すれば大きな被害・影響を受けかねません。コンピュータウィルスによる被害について確認し、アンチウィルス対策を行う重要性を再認識しましょう。
インターネットを悪用した犯罪は事例が多く、手口も巧妙化しています。ここでは、法人が遭いやすいコンピュータウィルスに関連する被害の例を2つ紹介します。
【例1】資料請求時に登録された顧客情報が流出した
サーバーの設定ミスや脆弱性対策の不備により、情報セキュリティ上の弱点があると、ウィルスやマルウェアを使用した悪質なサイバー攻撃を受ける可能性が高まります。個人情報である顧客情報が漏洩すると、企業の社会的信用やブランド価値の低下につながります。
【例2】会社名義口座のインターネットバンキング情報が盗まれた
近年ではフィッシング詐欺に加え、ユーザーの端末にウィルスを感染させて不正なポップ画面を表示し、入力されたアカウント情報を窃取する手口が増加しています。パスワードや口座番号などが収集され、口座を不正使用される恐れがあることに留意しましょう。
アンチウィルス対策を講じなかった場合、「盗み取られた情報が悪用される」「他端末や取引先・顧客に感染が拡大する」などの被害が発生する恐れがあります。セキュリティ面における安心感をもって業務を行うためにも、また自社の社会的信用・信頼を守るためにも、組織のアンチウィルス対策は必ず行いましょう。
アンチウィルス対策として、アンチウィルスソフト(ウィルス対策ソフト、セキュリティソフト)の利用を検討している人もいるでしょう。アンチウィルスソフトによる対策を実行する際には、注意点を把握することが重要です。
ここでは、アンチウィルス対策に関する注意点を3つ解説します。
アンチウィルスソフトを導入する際には、複数のソフトウェアを入れることは避け、1種類に絞るようにしましょう。複数のソフトを入れることで、ウィルスやマルウェアの検出率が高まると思われがちですが、かえって不具合を起こすケースがあります。
アンチウィルスソフトは、コンピュータの起動時から終了時までのすべての処理・プロセスをバックグラウンドでチェックしています。複数のアンチウィルスソフトが入っていると、お互いに干渉・競合してトラブルを引き起こしかねません。また、一方がもう一方を不正なソフトとしてブロック・排除するリスクもあります。
パソコン・タブレットなどの端末のスペックによっては、アンチウィルスソフトをインストールすることで容量が圧迫され、動作が重くなる場合があります。比較的古いモデルを使用していたり、ほかのソフト・アプリなどを多く使用していたりする場合は、動作が重くなる可能性がより高まるでしょう。
しかし、挙動が重くなる可能性があるとはいえ、「アンチウィルス対策を行わない」という選択肢は避けるべきです。パソコンを新しいモデルに買い換えるなど、アンチウィルス対策が行えるようにハード面を整えましょう。
アンチウィルスソフトには「個人向け」と「法人向け」が存在します。個人向けのアンチウィルスソフトでは、会社側がセキュリティ状態を一括管理したり、更新状態を確認したりすることができません。
個人向けのアンチウィルスソフトを導入した場合、セキュリティ対策を十分に行うためには、各従業員がソフトのアップデートを適切に行う必要があります。しかし、すべての従業員が完璧に行えるわけではないため、セキュリティ対策が不十分になる危険性が高まるでしょう。
企業で使用するパソコンやサーバーには、会社に必要な情報やデータが多数保存されています。そういった情報をウィルス感染から守り、社内外のネットワークを介してほかの端末に被害を広げないためにも、法人はセキュリティ対策を一層強化する必要があります。
ここでは、法人がアンチウィルス対策に取り組む際のポイントを5つ紹介します。
個人で使用する端末は多くても数台程度ですが、法人の場合は数十台以上の端末・サーバーにセキュリティ対策を行う必要があります。個人向けソフトでは限界があるため、法人向け(企業向け)のソフトやアプリケーション、セキュリティサービスの購入がおすすめです。
法人向けソフトでは、複数端末のセキュリティ状態を一括監視・管理する機能が搭載されています。スマホやタブレットを業務に活用している場合は、モバイル端末のセキュリティ対策サポートが充実しているソフトを採用しましょう。
端末をウィルス感染から守るためには、アンチウィルスソフトやOS(WindowsやmacOS、iOS、Androidなど)を適宜アップデートし、最新の状態に保つことも重要です。ソフトやOSのアップデートの際、各従業員に対応してもらう必要がある場合は、セキュリティ担当者がメールなどで周知しましょう。
「使い勝手が変わる」などの理由でアップデートを避ける人もいますが、旧バージョンのセキュリティで対応できないウィルスに感染する恐れがあります。会社に迷惑がかかることを理解させたり、罰則規定を設けたりして確実に対応してもらうようにしましょう。
「エンドポイントセキュリティ」とは、パソコンやスマホといった使用端末をウィルスなどの脅威から保護する技術を指します。
アンチウィルスソフトは既知のウィルス・マルウェアを強力にスキャンしますが、新しいタイプのウィルス・マルウェアを十分に識別できない可能性があります。一方、エンドポイントセキュリティ製品では、未知のウィルス・マルウェアが侵入した場合でも不審な動作を検知したり、端末内のデータを暗号化して保護することが可能です。より高い強度で対策をしたい場合は、エンドポイントセキュリティを導入しましょう。
アンチウィルスソフトをアップデートする際は、ネットワークに負荷がかかりやすくなります。ネットワーク遅延や接続不良、パフォーマンスの低下といったトラブルが発生する恐れがあるため、ネットワーク負荷の軽減に努めましょう。
ネットワーク負荷を軽減する方法には、次のようなものが挙げられます。使用するソフトや社内の状況を確認し、状況に応じて適切な方法を選択しましょう。
近年では、法人にサイバー攻撃を仕掛ける足がかりとして、従業員がウィルスやマルウェアに狙われるケースも増えています。
セキュリティ対策を行ってパソコンやサーバーを保護することも重要ですが、デバイスを扱う従業員の情報リテラシーを向上させることも大切です。「定期的に情報セキュリティ研修を実施する」「社内メールなどを通じて注意喚起する」などの取り組みを通して、従業員へのセキュリティ教育を徹底的に行いましょう。
有害なウィルスやマルウェアの侵入・感染を防御するアンチウィルス対策は、法人の財産や社会的信用を守るためにも重要な施策です。「法人向けのアンチウィルスソフトの導入」「最新版へのアップデート」などのポイントを押さえてセキュリティ対策を行いましょう。
エンドポイントセキュリティ対応のアンチウィルス対策を行い、安心して業務ができる環境を整えたい企業には、「EXOセキュリティ」の導入をおすすめします。シンプルかつスマートなシステム設計で管理業務やコスト負担の軽減が期待でき、あらゆる脅威に包括的な対応が可能なEXOセキュリティをぜひご検討ください。