近年では、インターネットを有効に活用したビジネスが普及し、ひと昔前に比べて情報の発信や共有が非常に便利なものとなりました。しかしその反面、セキュリティにはより一層厳しい対策が必要です。
特に、働き方の変化が急速に進み、あらゆる場所で業務システムを利用するケースが増えた最近では、「エンドポイント」におけるセキュリティが注目されています。
当記事では、エンドポイントの概要から「エンドポイントセキュリティ」の概要と種類まで詳しく説明します。
エンドポイントとは、英語で「端点・終点」を意味する言葉です。IT用語としてはより具体的な意味となり、「通信ネットワークに接続された終点の機器や端末(デバイス)」を指します。例えば、利用者(ユーザー)が操作するパソコンやスマートフォン・タブレット、さらにプリンターやIoTデバイスなどがエンドポイント端末にあたります。
通信ネットワーク機器・端末には、ほかにもさまざまなものがありますが、下記のような「ネットワーク機能として働く機器・端末」は、エンドポイントにはあたりません。
エンドポイントではないもの
エンドポイントという言葉が注目されるようになった具体的な理由には、下記が挙げられます。
●インターネットの普及
幅広い年齢層がインターネットを利用するようになり、企業においても何らかの業務にインターネットを取り入れるケースは激増しました。企業が企業向けに提供するクラウドサービスも増え、現在ではインターネットの利用機器であるエンドポイントがビジネスおよび日常生活に欠かせない状況となっています。
●テレワークの普及
働き方改革への対応や、新型コロナウイルス感染症の拡大防止への対応により、テレワークという働き方が急速に普及しました。自宅や喫茶店からだけでなくレンタルオフィスやコワーキングスペースで働く人々も増えたことから、さまざまな場所で自由に活用できるエンドポイントの需要も高まっています。
●エンドポイントの多様化
インターネットやテレワークの普及により、エンドポイントは多様化しました。パソコンやスマートフォン・タブレットだけでなく、IoT機器などさまざまな種類が誕生しています。多種多様なエンドポイントは各使用シーンにおいて大いに活躍しますが、その分利用者のリテラシーが問われることもポイントです。
エンドポイントセキュリティとは、エンドポイントに対して何らかのセキュリティ対策を行うことを指します。
インターネットを用いたビジネスの拡大や働く環境の変化に伴い、エンドポイントは注目され始めました。あらゆるシーンで活用できるエンドポイントは便利である反面、より強固なセキュリティ対策が必須です。
エンドポイントセキュリティには機器・端末ごとに適したさまざまな手法があり、悪意のあるマルウェアや第三者によるサイバー攻撃、不正アクセスを対策することが可能です。
インターネット・テレワークの普及やエンドポイントの多様化に伴い、エンドポイントセキュリティの重要性はさらに高まっています。
では、なぜエンドポイントセキュリティが特に注目されているのでしょうか。その理由には、下記2点が挙げられます。
●エンドポイントは直接データ・ファイルにアクセスできるため
不正アクセスを防ぎたいデータ・ファイルは、エンドポイントで直接アクセスします。そのため、エンドポイント自体に第三者が侵入すると、ネットワークに侵入されるよりもより多くのデータ・ファイルの情報が漏れる可能性があります。あらゆる被害を防ぐためにも、エンドポイントセキュリティは非常に重要となります。
●エンドポイントはマルウェアの動作開始や不正アクセスの入口となるため
エンドポイントは、データ・ファイルに直接アクセスする機器・端末であり、利用者の最も近くにあるものです。不正アクセスやサイバー攻撃をする悪意のある第三者にとってはエンドポイントが攻撃の入り口となりますが、身近であることから検知しやすく被害を未然に防ぐことができるでしょう。そのため、常にエンドポイントセキュリティに注意することが重要です。
インターネットにおけるセキュリティには、エンドポイントセキュリティのほかにも、ネットワークからのマルウェアの侵入・不正アクセスを防御する「ゲートウェイセキュリティ」があります。
エンドポイントセキュリティとゲートウェイセキュリティの違いは、下記表の通りです。
エンドポイントセキュリティ | ゲートウェイセキュリティ | |
---|---|---|
目的 |
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|
保護対象 |
|
|
自社のデバイス・ネットワークをサイバー脅威から守るためには、エンドポイントセキュリティの種類を把握し、適切な手法で必要なマルウェア対策を実施することが大切です。
エンドポイントセキュリティの主な種類は、下記の通りです。
また、従来はゲートウェイセキュリティが主流でしたが、マルウェアの多様化に伴いあらゆる手法でのエンドポイントセキュリティの実施も必要となりました。さまざまなセキュリティ対策が必要となり、デバイス管理・ツール管理が複雑化し管理者の負担が増加するというデメリットもあります。
近年では、「複数機能を組み合わせたセキュリティ対策ソフト」も続々と登場しています。ここからは、エンドポイントセキュリティの各種類の概要を詳しく紹介します。
EDR(Endpoint Detection and Response)とは、エンドポイントとなる機器・端末を継続的に監視し、ウイルスの感染やマルウェアの侵入した際は侵入元を分析・特定して原因と見られるデータ・ファイルの削除を提案するなどのサポート対応に特化した技術です。
EDR製品の多くは、未知の脅威であっても侵入元や影響範囲を検知・特定することができ、復旧までの時間を短縮させられるだけでなく、被害を最小限に抑えられます。
EPP(Endpoint Protection Platform)とは、「エンドポイント保護プラットフォーム」のことで、マルウェアやサイバー攻撃の検知、拡散防止、被害の最小限化に特化した技術です。EDRはウイルスの感染やマルウェアの侵入後の対応をサポートする製品である一方、EPPはウイルスやマルウェアが端末に侵入することを防ぐ製品となっています。エンドポイントセキュリティツールには、EDR・EPP双方の機能を揃えた製品が多いことも特徴です。
EPP製品によっては、検出したマルウェアを分析したり、マルウェアから受けた攻撃によるデータ破損を修復したりできるものもあります。既存のマルウェアであれば幅広く対応できるケースが多いですが、未知のマルウェアが侵入した場合は検知・対応ができない点に注意が必要です。
NGEPP(Next Generation Endpoint Protection Platform)・NGAV(Next Generation Anti-Virus)はいずれも「次世代型アンチウイルス」のことで、既存・未知にかかわらず、侵入した脅威のパターンを分析し、マルウェア特有の挙動を検知する技術です。
絶えることのない未知の脅威にも対応でき、高度なマルウェア検知もできるため、導入しておけば大きな安心感を得られます。しかし、1つの製品につき1台のエンドポイントしか監視できない製品も多いことに注意しましょう。
DLP(Data Loss Prevention)とは、ウイルス感染やマルウェア侵入によるデータの情報漏えい防止に特化した技術です。
従来の情報漏えい対策と言えば、「ID・パスワードによるアクセス制限」が一般的でした。しかし、これだけでは不正アクセスのしやすい環境を作り上げてしまうだけでなく、作業効率が低下することも問題視されていました。
DLPでは、データそのものを監視することが特徴です。従来の情報漏えい対策はすべての情報が対象となっていましたが、DLPは特定の機密情報のみが対象となるため、より強固なセキュリティ環境を構築できるだけでなく管理・運用コストの削減、業務効率化にもつながります。
IT用語における「エンドポイント」とは、通信ネットワークに接続された機器や端末のことです。具体的には利用者(ユーザー)が操作するパソコンやスマートフォン・タブレットなどが挙げられ、技術の進歩やインターネット・テレワークの普及により、エンドポイントも多様化しました。
エンドポイントの多様化に伴い、重要視されるのがエンドポイントセキュリティです。エンドポイントセキュリティにもさまざまな種類・ソフトウェアがあり、それぞれ異なる役割をもっています。サイバー攻撃やマルウェア感染を対策するためには、セキュリティ体制・監視体制の整備が重要となるでしょう。
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