情報漏洩対策とは、個人情報など社内の機密情報が外部に漏洩しないように対策することです。情報漏洩が起きる理由は多岐にわたるため、従業員への教育などに加え、情報漏洩対策ソフトの導入も必要となります。一方で、情報漏洩対策ソフトも種類が多く、どれを選べばよいか分からないという方もいるでしょう。
この記事では、情報漏洩対策の基本情報や漏洩の原因を踏まえ、代表的な情報漏洩対策ソフト10種類を紹介します。どのようなサービスを利用するか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
情報漏洩対策とは、社内の機密情報が外部に漏洩しないようにするための対策のことです。対策をしていないと、ウイルスやマルウェアなどのサイバー攻撃、人的ミスによる情報流出などから、企業情報が外部へ漏れる可能性が高まります。
情報漏洩リスクの軽減には、社内ガイドラインを策定して情報の取り扱い方法を明確にしたり、従業員に情報セキュリティ教育を施したりすることが大切です。また、サイバー攻撃や人的ミスがあっても漏洩を食い止める、情報漏洩対策ソフトの導入も有効な対策方法となります。
情報漏洩の原因には、内部要因・外部要因の2つがあります。内部要因とは、メールに添付するファイルを誤るなどの誤操作、重要資料の紛失・置き忘れ、機密情報を誰でも参照できる管理ミスなどです。特に誤操作による漏洩は多く、従業員の意識改善、漏洩防止策を施したシステムの強化などが求められます。
外部要因とは、システムの脆弱性を突いた不正アクセス、ウイルス感染、メール内容の盗み見などです。悪意のある第三者が原因となるため、外部からのアクセスを防ぐセキュリティ対策が必要となります。
情報漏洩対策ソフトは、データの持ち出し防止やアクセス制御などの機能を備えた、社内の機密情報が外部に漏れないように対策を施すソフトウェアです。1つの機能に特化した製品と、複数の機能を総合的に備えた製品の2種類があります。
ここでは、代表的な情報漏洩対策ソフトの特徴について解説します。
AssetViewは、内部不正・外部攻撃など、広範囲のセキュリティ対策ができるIT資産管理ツールです。管理サーバーの統合や管理ツールの一本化により、セキュリティの運用負担を軽減します。
マルウェア感染対策やデータ流出対策など数多くの機能がありますが、必要な機能のみを選択できます。ライセンス数も必要な分だけ購入できるため、コストの削減が可能です。環境は自社運用するオンプレミスと、インターネット経由でサービスを利用するクラウドの2つから選べます。
Basic IPCCは、インターネットの無断接続を防止するWindows用の情報漏洩対策ツールです。社外でのPC利用時に接続先を制限でき、社内のセキュリティポリシーを社外にいながら守れます。テレワークの際にルールを遵守させ、安全性を保つことが可能です。
具体的には、エリアを限定したネットワーク接続、スマートフォンのデータ通信を利用したPCのインターネット接続防止などでセキュリティを高めます。また、ウイルス感染対策などによる情報漏洩防止も可能です。
Crossway/データブリッジは、端末間をケーブルで接続し、データを一方通行で受け渡すセキュリティ機器です。1つずつ漏れなくデータを渡す「手動タイプ」と、大量のファイルを自動で転送する「自動タイプ」があります。
受け渡しファイルからの情報漏洩事故を防止するため、ファイルのウイルスチェックや無害化を実行します。機器の電源を落とすなどで機器のデータが自動消去され、データの消し忘れによるセキュリティリスクの低減が可能です。ホームページでは2週間無料お試しを受け付けています。
EXOセキュリティは、マルウェア対策や脆弱性のチェック、個人情報の暗号化、悪質サイトへのアクセス遮断など、幅広いセキュリティ対策ができるツールです。人工知能とクラウド分析技術によって、リアルタイムに異常を探知します。
また、USBメモリなどのデバイス接続について遮断・許可を管理でき、ファイル持ち出しの防止が可能です。シンプルで操作性の高い管理画面によって社内PCをすべて監視でき、管理者の負担を減らせます。
FENCE-Gは、デバイス(USBメモリ、CD・DVDなど)によるデータ持ち出し、ネットワーク盗聴、不正アクセスなどを制御するツールです。PCに操作制限をかけたり、業務に無関係なサイトへのアクセス制限をしたりすることで情報漏洩を防止します。
また、情報を暗号化したり、機密文書を第三者に漏洩しない方法で配布したりすることも可能です。社内のセキュリティレベルを強化するために、セキュリティポリシーの策定支援も行っています。
Intersafe ILPは、さまざまなセキュリティ機能を網羅した情報漏洩対策のシリーズ製品です。デバイス制御、ネットワーク間のファイル転送、ネットワーク分離、ファイルの自動暗号化、セキュリティUSB作成の5つで構成され、必要な機能を自由に組み合わせられます。
5つの基本機能の他に、オプションとしてファイルの持ち出し申請、ファイル無害化、ファイルの個人情報検出の3つの機能も付けられます。30日間無料評価版があり、オンプレミス・クラウドどちらでも導入可能です。
L2Blockerは、社内LANに専用センサーを設置して不正PCを検知・排除するセキュリティ対策ソフトです。サイバー攻撃対策などもできますが、特に社内からの不正による情報漏洩防止に力を入れています。
社内端末を一元管理でき、許可リストに載っていない端末からのアクセスを自動で遮断可能です。社内端末以外からはネットワークに接続できないため、スマートフォンなどの私物の接続を遮断し、ウイルス感染や情報漏洩を防止します。
データ抹消は、PC内に保存されたファイルやデータを抹消することに特化したツールです。HDDなどを破壊する「物理破壊」、強力な磁気を当てる「磁気消去」、乱数を上書する「ソフト消去」のいずれか3つの方法でデータを消去します。
物理的にデータを抹消するため、復元ソフトでデータを戻すことは不可能になります。PCをリサイクル・リユースするときに適したツールです。また、廃棄数が増えているガラケーや磁気テープなどのデータ消去にも対応しています。
発見伝は、デバイス接続やプリンター出力、メールの添付ファイルなどを監視し、外部への情報漏洩を防止するソフトです。リストに未登録のUSBメモリを接続すると、強制的にロックがかかってシャットダウンやログオフ状態になります。
ユーザーの操作履歴を一括管理し、不正があれば警告アラートが表示され、管理者へメールで通知されます。15日間の無料体験版があり、発見伝の機能を試すことが可能です。
秘文は、セキュリティ対策やIT資産管理などを網羅的に行うツールです。25年以上サービスを提供しており、2004年度から17年連続でシェア率第1位を獲得しています。マルウェア対策機能は大会での受賞歴もあり、有効性が高いツールです。
ツールは自社開発のため、導入・運用時のサポートが丁寧です。社内でセキュリティに関する問題が発生しても、専任のエキスパートが問題解決に向けて迅速に対応します。
企業で扱う個人情報や機密情報が外部に漏れないように、情報漏洩対策を行うことは重要です。情報漏洩の原因は内部要因と外部要因の2種類があり、前者は社内でガイドラインを設けたり、従業員にセキュリティ教育を施したりすることである程度防ぐことができます。一方で、不正アクセスなどの外部要因による情報漏洩を防ぐためにはセキュリティソフトなどによる強固な対策が必要です。
情報漏洩対策ソフトには、単一機能のものから幅広いセキュリティシステムを備えたものまでさまざまな種類があります。社内の状況や、取り扱う重要データにふさわしいタイプの製品を選ぶことが大切です。